更新日: 2017/08/15
文:安田由美子(もったいないかあさん NEEDLEWORK LAB) 撮影:天野憲仁(日本文芸社)
「刺繍糸」といって、最初に思い浮かべるのは、25番刺繍糸と呼ばれる、撚った綿糸がさらに6本が撚り合わされていて、8mが一束になっているものではないでしょうか。
手芸屋さんに行けば、メーカーは違っても25番だけは置いてあると思います。
Instagram:@tsukurira0714
▲25番刺繡糸。アンカー、DMC、オリムパス、コスモなど、さまざまなメーカーから出されており、色数も豊富。
6本が撚り合わされていて、1本ずつ引きだして引き揃えて使うので、いろんな太さが表現できますし、違う色と引き揃えれば、新しい色として使うこともできます。ころんと太い刺繍糸より、細い糸を引き揃えることで、面を埋める際、初心者でも比較的容易に埋めることができます。そういう点で、一番扱いやすいといえるでしょう。
多くのメーカーから、色も500色近く揃えて売られています。
糸は数字が大きいほど細くなります。
この25番というのは、1gのコットンを25mの糸にしたものが25番、8mの糸なら8番、5mなら5番、と聞きましたので、0.1gまで量れる量りで調べてみました。
ほんとに5番は25mで約5g、8番は80mで約10gでした。
▲DMC25番カラーバリエーション。マルチカラーの刺繍糸で、糸を替えることなく、微妙な色の変化が楽しめる。
ところで、下の写真に出てくる木の箱。
じつは、ご贈答用のそうめんの空き箱、桐の箱です。
刺繡糸がきれいだからと透明なケースに入れていると、日焼けしてしまうことがあります。
それに日本の気候ですとどうしても湿気対策も必要です。
最初は日本刺繍の絹の糸やリボンをしまっていたのですが、だんだん桐の箱を増やして、いまは綿やウールの刺繍糸も入れています。
浅いので、並べて入れれば一目瞭然。着物用のバッグ草履セットが入っていた桐の箱はちょっと深くて、リボン刺繍のリボンを入れています。
Instagram:@tsukurira0714
安田由美子(もったいないかあさん NEEDLEWORK LAB)
文化服装学院デザイン専攻を卒業後、同校に洋裁の教員として勤務。現在は刺繍や洋裁の手芸誌で作品を発表する傍ら、つくり方指導、フランス手芸書の日本語版の監修などを行う。2007年から始めたブログ「もったいないかあさんのお針仕事」は、手芸をたしなむ多くの人々に愛され、現在、480万アクセスを超える。 http://mottainaimama.blog96.fc2.com