更新日: 2017/07/14
文:安田由美子(もったいないかあさん NEEDLEWORK LAB)
刺繍はやりたいけどなかなか・・・と思っているうちに、細かいものが見えにくくなってきてあきらめる、というのではもったいないですね。
▲スタンド型のルーペは、刺繍枠を手に持ちながら作業するときに便利。
私は近視で乱視で老眼で、何年か前、急に見えにくくなったので眼科を受診しました。
年齢相応で問題はないそうです。
ですから、細かい針目など見えにくいものは、道具に助けてもらいながら縫い物をしています。
老眼鏡も使うのですが、ルーペを使って作業することが多いです。
手に持って刺繍する場合は、ルーペはスタンドのときもあります。
好きな向きで固定できて、LEDのライトもつきます。
刺繍しているとき、暗いと余計に見えにくいですからね。
ルーペで見える部分だけが拡大されるので、TVなどをちょこちょこみながらやるのによいように思います。
メガネ型のルーペは、掛けているとき遠くを見ようと思うとはずさなくてはいけません。でも、衝撃に強かったり、広い範囲が歪まずに見えたり、編みものや、刺繍でスタンドフレームなどを使うときにも使えてよいですね。
手芸関係のメーカーからは、手芸らしく、1.6倍と2倍のレンズを付け替えてられるものも出ています。2倍だとかなり細かい部分までよく見えます。そして、実際に見るときなどはレンズをはねあげることもできます。
▲(上)ハズキルーペ、(下)クラフトルーペ(1.6倍&2.0倍)/クロバー
老眼鏡はルーペではないので大きくは見えないけど、実際の大きさがわかります。
ルーペと老眼鏡、うまく使い分けるとよいです。
たとえば、編みものやクロスステッチなどは針を刺す穴の場所が決まっているので、ルーペは便利です。
一方、ルーペより老眼鏡がいいと思うこともあります。
たとえばフリーステッチでは、ステッチの大きさなどルーペだと大きく見えてしまって、実際にはとても小さい針目で刺し始めてしまうということがあります。
ルーペを使う場合は常に実際の大きさも確認しながらするのがよいでしょう。
洋裁でも製図やミシンをかける場合、実際の長さとルーペでみた大きさがちがうと戸惑うことがあります。
それでも、手作業でボタン穴かがりやまつり縫いなどするときは、ルーペだとよく見えてやりやすかったりします。
そんなわけで、洋裁とフリーステッチはおもに老眼鏡、クロスステッチやレース編みなどはルーペと使い分けています。
長年、針仕事をしてきました。
老眼になったら針仕事はつらいだろうなと思っていましたが、いざその年になってみるといろいろ便利な道具が手に入る時代になっていました。
見えにくいという理由で針仕事をあきらめなくてもいいというのは、とてもうれしいですね。
Instagram:@tsukurira0714
安田由美子(もったいないかあさん NEEDLEWORK LAB)
文化服装学院デザイン専攻を卒業後、同校に洋裁の教員として勤務。現在は刺繍や洋裁の手芸誌で作品を発表する傍ら、つくり方指導、フランス手芸書の日本語版の監修などを行う。2007年から始めたブログ「もったいないかあさんのお針仕事」は、手芸をたしなむ多くの人々に愛され、現在、480万アクセスを超える。 http://mottainaimama.blog96.fc2.com