更新日: 2018/11/14
撮影:奥 陽子 文:つくりら編集部
ワークショップの魅力は、未知の手仕事に触れ、そのテクニックを講師から直接、教えてもらえることではないでしょうか。専用の織り機を使う「手織り」は、独学で始めるには少々ハードルが高い。まさにワークショップで学びたい手仕事のひとつなのです。
手織り作家・ichi.coさんのワークショップで用意されたのは、小さな織り機。ichi.coさんの監修でつくられたもので、A4サイズのトートバッグにもするりと入ってしまうほどのコンパクトさで、手織り=大きな織り機が必要、という既成概念が一気に吹き飛びます。
ワークショップでは、この織り機を使ってコースターかギャッベ、どちらかをつくります。ギャッベとは毛足の長い絨毯のことで、手織りの中では時間のかかるものですが、ワークショップでは小さなサイズでこのテクニックを習得します。
コースターもギャッベも本格的なキリム糸を使用。キリムとは、トルコで織られている平織り物で、主に絨毯などの敷物に使われているため、その糸も強度があって、コシがあるのが特徴です。
織り機に縦糸をしっかり張り、糸始末に必要な縦糸を確保するために枠の上下に工作用紙を入れたら、好みのキリム糸で横糸を織り込んでいきます。ichi.coさんが手に持っているのはシャトル。こちらに横糸を巻きつけて縦糸の隙間を通すのです。
櫛を使って横糸をサクサク詰めます。キュッキュッと織りができていく快感がたまりません。
縦糸を一本ごとに上下させる仕掛けは、綜絖(そうこう)といって、織りの大切なプロセス。今回使った織り機では、スティックを縦糸の間に差し込んで綜絖にしています。
途中で糸を替え、だいぶ織り上がってきました。
サイズを測り、ほどよい大きさまで織り進んだら、両端の縦糸の始末をしてでき上がりです。
赤いキリム糸をメインしたコースター。差し色として組み合せる糸の色で印象も変わりますね。
「織りが初めての人でも、2、3時間あれば1枚仕上がります」とichi.coさん。1枚でき上がると、嬉しくなってあと1枚、あと1枚とどんどん織りたくなります。朝昼晩で色を変えても、家族ごとに色を決めてマイコースターをつくっても・・・。ああ、まんまと織りの魔力に取り憑かれてしまいました!
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