更新日: 2018/11/14
撮影:奥 陽子 文:つくりら編集部
ホームパーティーやギャザリングの楽しみといえば、テーブルコーディネート。メインカラーを決めたり、季節のお花を選んだり・・・。そこに心温まる手書きのアイテムをプラスして、おしゃれに演出しているのが、カリグラファーのヴェロニカ・ハリムさんです。
つくりら文化祭初日、ディナータイムに行われたヴェロニカさんのワークショップは、naturamさんの美味しいディナーとともにテーブルスタイリングを体感できるスペシャルレッスン。
ワークショップはカリグラフィーのベーシックレッスンから始まります。ずらりと一列に並んだテーブル。中央の装花はフラワーノリタケさんです。
会場には4人分のセットをしつらえたコーナーも。ナチュラルなテーブルに合わせて、お花はやさしいピンク系に、テーブルランナーはぎゅっとセンターに寄せて木肌を見せます。プレートにのっているのが、この日のメニューとゲスト名を書いたネームカード。ブラック&ホワイトのお皿に合わせて、カリグラフィーアイテムもモノトーンでシンプルに。アクセントに花と同系色の細いストリングスをメニューに巻きつけました。
ワークショップの2か月ほど前、事前打ち合わせが行われました。naturamを訪れたヴェロニカさんは、実際に杉浦和哉シェフのディナーをいただきながら、シェフのこだわりポイントは何か? どんなふうに盛りつけをするのかなどを詳しくヒヤリング。お料理のイメージに合わせてカリグラフィーのコーディネートを考える大切なプロセスです。
そのヒヤリングを反映したスタイリングが、こちらのアミューズ。アミューズとは、日本料理の「先付け」のようなもので、コース料理の最初に出される、ちょっとしたお楽しみ。どんなアミューズでお客様を惹きつけるかは、レストランの腕の見せどころなのです。
「お料理は親しい友人や大切な人たちと一緒に、会話を楽しみながらいただくものです。naturamでは、お互いに会話を楽しんでいただけるよう、アミューズを2人ひと皿に盛りつけてお出しすることもあります」と杉浦さん。
お客様どうしの会話がもっと弾むように、と、ヴェロニカさんが考えたのは、“Bon appétit”(召し上がれ) と書いた小さなスクロールです。
この日のアミューズは、赤海老と黒米。
アミューズに添えたスクロールのつくり方を教えてもらいました。用意するのは短冊状にカットした紙。この紙の中央にブラックインクでメッセージを書いたら、両端に絵の具で色をつけます。インクと絵の具が十分に乾いたら、鉛筆などの棒状のもので両端をくるりと巻いて。カールができたら完成です。
ネームカードもスクロールにして。ハンドメイドペーパーを使えば独特の風合いに。
予め当日のメニューを印刷したメニューカードに、Menu, Amuse, Entree・・・とカリグラフィーで書いていきます。
それだけでも十分素敵ですが、ヴェロニカさんはさらにひと工夫。厚手のトレーシングペーパーを組み合せます。
ボタニカルイラストはインスピレーションの赴くままに。テーブルセンターの花をスケッチしてもよし、空想の植物でもよし。みなさん、個性あふれるオリジナルメニューができ上がっていきます。
ネームカード、メニューカードをつくり終えたら、いよいよお待ちかねのディナータイム。杉浦シェフがこの日のメニューを説明してくれます。
スパークリングドリンクで乾杯!
野菜の彩りがなんと美しいこと! こちらは前菜。時季野菜のプレッセ、タスマニアサーモンです。
お魚料理の次にはお肉料理が運ばれてきます。
お料理が進むにつれて、みなさん、すっかり打ち解けて、いつのまにやら一人ずつ交替でヴェロニカさんとの“恋愛相談”(!)も始まっています。最後のコーヒーがサーブされるのが惜しいくらい楽しい女子会に。
ワークショップでつくり上げた、手書きのメニューにネームカード。おもてなしの心はこんなふうに表現できるのね、と改めて実感。美味しいお料理にはカリグラフィーを添えて。習いたての記憶が消えないうちに、お家でさっそくトライです。
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