アロマ, セルフケア, ハーブ, 夏, 暮らし, 植物, 花
アロマ, セルフケア, ハーブ, 夏, 暮らし, 植物, 花
更新日: 2021/05/04
制作・文:猪飼牧子 撮影:清水美由紀 文・つくりら編集部
明日5月5日から二十四節気は立夏(りっか)です。いよいよ暦の上では夏が始まります。
リンゴのような甘い香りがするカモミールは、ちょうどこの季節の植物です。観賞花やハーブティー、精油など、多方面で活躍する万能ハーブで、主に薬用とされている品種には、ジャーマンカモミールとローマンカモミールの2種類があります。
花が咲いたときに花の中心の黄色い部分、花托(かたく)が盛り上がり、花弁がそり返った姿になるのはジャーマンカモミール。背丈も30センチほどになり、切り花としてアレンジしやすいのはこちらです。ローマンカモミールは、平べったい花托で、ジャーマンより背丈が小さめ、花壇や通路の土部分を隠すグランドカバーとして活用されています。
ハーブティーとして飲まれているのは、ほとんどがジャーマンカモミール。鎮静、鎮痙(ちんけい)作用にすぐれ、ストレス性の胃炎や不眠、女性特有のホルモンバランスの乱れから生じる冷え性、生理痛など、不調を和らげる救世主のような存在です。
精油としては、ジャーマンカモミール、ローマンカモミール、どちらもあります。薬草のような独特な香りがするジャーマンカモミールの精油は、鎮静、抗炎症作用にすぐれ、目の覚めるような青い色をしています。この色は抗炎症作用の強いカマズレン(アズレン) という特徴成分の色。この成分は生花にはなく、精油を抽出する蒸留の過程で、生花中のマトリシンという成分が変化して鮮やかな青色のカマズレンになるのです。物質が変化していく過程はとても美しく、深く心を動かされます。
一方、ローマンカモミールの精油は、生花と同じような甘くやさしい香りで、ほぼ透明。主にリラックス目的で使われます。
ぷるぷるした触感が気持ちいいジェル。海のような青さのこのジェルは、海藻からできたマリナジェルにジャーマンカモミールとラベンダーの精油を配合。
作り方は、
【1】ビーカーにジェルを15㎖入れ、2種の精油を各1滴ずつ垂らす。
【2】全体が水色になるまでよく混ぜ、アルコール消毒をした容器に入れて完成。
冷蔵庫に保管し、1週間以内に使い切りましょう。
*カモミールのハーブティーや精油は、キク科アレルギーの方は使用を避けてください。
*濃度は0.7%弱なので顔にも使えますが、必ずパッチテストをして問題があった場合は使用を中止してください。
*精油の効用と使用上の注意はP.214~220を参照。
Instagram:@tsukurira0714
【書誌情報】
『二十四節気 暦のレシピ』
猪飼牧子・清水美由紀 著古くから季節を表す言葉「二十四節気 七十二候」をテーマに、季節の移り変わりを花や植物で感じながら、ものづくりの楽しみを提案。
小さな変化を繰り返しながら、季節とともに四季をたどっていく植物。その時季の植物をアレンジメントや料理やおやつに生かしたり、心と体を健やかするハーブやアロマを活用したり、ちょっとしたおもてなしの小物をつくったり。二十四節気を植物とものづくりで体感できるアイデアとレシピ120を紹介します。
NEROLIDOL(ネロリドール) 猪飼牧子
フラワーアレンジメントやエディブルフラワー(食用花)、アロマテラピー、ハーブなどの植物教室を開催する傍ら、季節の花束、オリジナルブレンドハーブティー、ドライフラワーやプリザーブドフラワーなど本物の植物を使用したアクセサリーの販売などを手がける。植物が姿を変えながらも、生活に寄り添ってくれている「植物のある暮らしと装いを」を伝えている。
ホームページ:http://nerolidol-flower.com
インスタグラム:@makiko_nerolidol/
清水美由紀
フォトグラファー。生活を感じる旅、暮らしのあれこれ、健やかな食&住が興味の対象。雑誌やWebなどで「LIFE(生活、暮らし、人生)」にまつわる写真を撮影。日本&世界を娘とふたりで旅しながら写真を撮って暮らしている。美しい日常の瞬間を切り取った透明感のある写真は、国内外問わず、多くのファンを魅了している。
ホームページ:https://miyukishimizu.format.com/
インスタグラム:@uriphoto