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二十四節気 暦のレシピ 第11話 白露|秋の身体を整えるハーブチンキ

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9月8日から9月22日までが白露(はくろ)。今回の暦のレシピは、秋の身体を整えるハーブチンキです。

制作・文:猪飼牧子 撮影:清水美由紀

9日8日から二十四節気は白露になりました。夜になると、急に静かになったように空気の熱が取れ、冷え込む日も。その冷えた空気は、明け方、朝露となり草木に美しく宿ります。

朝晩の寒暖差は、自然の中に美しいものを生みますが、身体にはこたえるもの。季節の変わり目には、身体は環境に適応しようとしたり、これ以上のダメージを受けないようさまざまな努力をしたりします。でも周りの環境の変化が激しければ、適応しきれずバランスを崩してしまうことも。

身体の不調が本格的にならぬよう、予防することがとても大事になってきます。そこでおすすめするのがハーブチンキ。アルコールにハーブを漬けるだけで簡単につくれるので、手軽に無理なく、ハーブの力を毎日いただくことができます。

今回は、本格的な秋到来に備え、身体を整えるハーブチンキのつくり方をご紹介します。

 

ハーブの恵みが凝縮された「自然のくすり」

身体のバランスを整え、体調を崩さないためには、免疫力を強化し、胃腸を整えることがとても大切になってきます。そして自律神経にとても関係の深いホルモンを整える、ということも。

「チンキ」とはアルコールにハーブを漬けたもの。おなじみのハーブティーは、熱湯を注ぐことで、ハーブの中の「水に溶けやすい成分」を抽出した飲み物です。アルコールを使うチンキは「水に溶けやすい成分」だけでなく、「油に溶けやすい成分」も抽出できるので、ハーブの恵みを効率よくいただくことができます。

 

ハーブチンキのつくり方

今回選んだハーブはこの季節にぴったりな4種。身体本来の力を高め、サポートしてくれる「エキナセア」、風邪のときによく飲まれている、ふんわり優しい香りの「エルダーフラワー」、胃腸をいたわりゆっくり緩めてくれる「カモミール」、そして、すばらしい香りで心やわらぐ女性のためのハーブ「ローズペタル」です。

材料

写真左上から
ドライカモミール・・・8g
ドライエキナセア・・・8g
ウォッカ・・・使用量400cc
写真左下から
ドライエルダーフラワー・・・8g
ドライローズペタル・・・4g

その他、ハーブを漬け込むガラス瓶 (500〜600cc入るもの)、保管する遮光瓶(もしくは、小さな瓶に小分けもOK)を用意してください。

つくり方
1.煮沸消毒した透明ガラス瓶の中に、ハーブを入れる。使用するハーブがドライハーブの場合、ハーブが水分を吸って膨張するので瓶の容量に対して入れすぎないよう注意。※目分量で入れる場合、瓶の7分目くらいまでハーブを入れて、それが漬かるようにウォッカを入れてもOK。

2.ウォッカを入れる。このときハーブの頭までウォッカが浸かるようにする。

3.成分が出やすいよう1日1回瓶を振って、常温で最低2週間ほど保管する。

4.2週間経ったら、ガーゼや茶こしでハーブを濃す。※濾した後の残りのハーブは堆肥にできます。

5.煮沸消毒をした遮光瓶に入れ替えて冷暗所で保管し、1年をめどに使い切る。

 

チンキづくりにおすすめしたいハーブ8選

4種類のハーブをミックスしたチンキのつくり方を紹介しましたが、単品のハーブでつくるのも、それぞれのハーブの特性を生かせるのでおすすめです。よくチンキにされているハーブとその効用をご紹介しましょう。

アーティーチョーク・・・暴飲暴食が続くときなどの肝臓などの手助け
セージ・・・うがい薬や暑くべたつく時期のローション
セントジョンズワート・・・心を穏やかにしたいとき、不眠のとき
ラベンダー・・・痛みがある個所に湿布として、肌荒れのときのローション
ローズマリー・・・若返りのハーブといわれているほど、内服としても外用としても
ヨモギ・・・ニキビなど肌に炎症があるときのローション
モミ・・・冷えなど代謝を上げたいとき、エアーフレッシュナーなど
キク・・・咳、頭痛、発熱など毒を出したいとき

 

内服にも外用にも。いろいろ使えるハーブチンキ

チンキという名は余り聞き慣れないかも知れませんが、ヨーロッパなどではさまざまなハーブのチンキが薬局で普通に売られているほど日常的なもの。tincture(ティンクチャ―)ともいわれ、内服も外用もできる便利なものです。

内服の場合は、原液をそのまま、または普段飲んでいる飲み物に1〜3%ほどの濃度で入れるだけなのでとても簡単。ただし、アルコールを使っているため、お酒が飲めない方やお子様に使う場合は、カップに熱湯を入れ、その中に少量チンキをたらしてアルコールを飛ばしてから飲むとよいでしょう。

外用の場合は、水に薄めてうがい薬や湿布に、そのままエアーフレッシュナーや入浴剤、精製水とグリセリンに混ぜてローションにするなど、さまざまな活用法があります。外用のみの場合は、エタノールと水を混ぜた液体に漬け込んでも問題ありません。

チンキを使ったローションは、お好みのハーブでつくったチンキ液5㎖と植物性グリセリン2~4㎖を煮沸消毒した容器に入れよく混ぜた後に、精製水40~50㎖を加えてでき上がり。冷蔵庫保管で一週間以内に使い切るようにします。使う前に腕の内側などでパッチテストをして問題がないか確かめて。

内服でも、外用でも、人によってはアレルギー等がある場合もあるので、万一使用した際に何らかの異常があった場合は直ちに使用をやめてくださいね。

本格的な秋の到来ももうすぐ。季節の変わり目に体調を崩さないためにも、自然の恵みが凝縮されたハーブチンキを暮らしに取り入れて、心身ともに健康で快適な毎日を手に入れましょう!

 

つくりら編集部よりお知らせ

NEROLIDOLの猪飼牧子さんとフォトグラファーの清水美由紀さんの連載、「二十四節気 暦のレシピ」は、大幅な新規取材を加えて、書籍『二十四節気 暦のレシピ』としてみなさまにお届けします。

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