更新日: 2020/06/02
魔女から身を守ってくれると考えられたり、媚薬として使われたりした時代もあったキャラウェイ。石器時代の遺跡や古代エジプトの墓からも発見されています。キャラウェイの特徴を『暮らしをたのしむハーブ手帳』よりご紹介します。
文:つくりら編集部
西アジア原産。紀元前3000年ごろからヨーロッパ諸国で食用、薬用として使われはじめました。古代ローマ軍の出兵をきっかけに一斉に広まり、さかんに利用されるようになりました。ヨーロッパ各地に進軍する際、食事に根が使われたのだそうです。
よく見かけるのは甘く香ってほろ苦い種ですが、葉や根も活用できます。
学名:Carum carvi
最盛期:夏
◆日向・半日陰向き
◆料理・エッセンシャルオイルに使える
<栽培ガイド>
栽培難易度 ★★★
性質:セリ科。二年草(耐寒性)。草丈60cm
開花:春から夏。白からピンクの花が咲く
収穫:3〜10月
栽培環境:日なた。半日陰でもよい
土:保水力のある肥沃な土
肥料:元肥のあとは、生育期に1週間に1回液体肥料を施す
水やり:ひかえめに与える
害虫・病気:ハダニ、アブラムシ、キアゲハの幼虫、ウドンコ病
種まき・植えつけ:春または初秋に屋外に種をまく。春に苗を植える
増やし方:春か初秋に種まき。移植には不向き
<手入れ、収穫、保存>
蒸し暑さに弱いので、夏枯れしないように気をつけましょう。若葉は春に摘んでフレッシュなまま使います。花がおわって房が褐色になったら、種の実った房を枝ごと切り取って紙袋に入れ、逆さまに吊るし、種のあるほうを下にして乾燥させます。種を取り出したら3日ほど日干しにし、密閉容器で保存します。
<補足メモ>
使える部分:葉、根、種
主な薬効:さしこみ痛、気管支炎、下痢、腸の膨満、消化不良
料理:サラダ・スープ(葉)、ピクルス・煮込み料理・お菓子・パン・酒の香りづけ(種)、野菜の代用(根)
香り高い種は料理だけでなく、ポプリにもおすすめです。クミンとは姿形が似ているため、よくまちがわれます。
Instagram:@tsukurira0714
【書誌情報】
『暮らしをたのしむハーブ手帳』
ウェルトン・オーウェン著
高浜真理子監修、堀口容子訳
世界のハーブをコンパクトに紹介。使い方のアイディア、薬効、使用できる部分、おすすめ料理、収穫時期、保存方法など、知りたい情報をしっかり、見やすくまとめました。コンパクトなので園芸店にもっていったり、野外で使うときにもポケットやバッグの中で邪魔になりません。正方形で女性でも持ちやすく、ページも開きやすくなっています。
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