更新日: 2020/03/31
La vie a la Campagneのオーナー、ロシャン・シルバさんの焼くパンは、小麦の味をしっかり感じる素朴な味がします。小さい頃に憧れた、アルプスの少女ハイジが美味しいそうに頬張るパンを思い出しました。
シルバさんの著書『ジャムとパンのオリジナルレシピ』から、パン作りについてご紹介します。
文:ロシャン・シルバ、つくりら編集部 撮影:清水美由紀
イタリアで食べていたパンが恋しくなって、お店の1階にパン工房を作り、自分で焼き始めました。試行錯誤を繰り返しながら独自で編み出したレシピなので、パン屋さんのパンよりも、ずっと素朴で家庭的な味です。
材料をきっちり測ることも基本ですが、大切なのはイーストは生きている、ということ。
温度や湿度などそのときどきの状況で生地のふくらみ方は変わってきます。五感を働かせながら、生地とおしゃべりするつもりで作っていきましょう。
はかり/計量カップ
正確に材料を測ることがパン作りの第一歩。イーストや塩など少量の材料もきっちり測れるデジタルはかりがおすすめ。この本では水とイーストを先に混ぜる方法を紹介しているので、計量カップも必須。
ボウル
材料を測る、混ぜる、こねる、発酵とあらゆる工程で活躍。直径25~30cmくらいの大きめのボウルが使いやすい。
ゴムべら
粉類と水類を混ぜたり、ボウルの側面や底についた生地をきれいにかき集めるときに便利。
めん棒
台の上で生地を薄くのばすときに。自分の手に合った長さや太さのものを選ぶ。
カード
生地を切り分けたり、成形後の生地に筋をつけたりする。ゴムべら同様、ボウル内の生地を集めるときは上部の曲線部分を使う。
スケッパー
刃の切れ味がよいステンレス製のスケッパーは、生地を分割するときに。刃先にめもりがついたものは、生地を均等に切り分けるときに便利。
はさみ
パンを焼く前に、生地に切れ込み模様をつけるときに使う。生地の表面にライン模様をつけるときはパン切り用カミソリまたはカッターナイフを。
クロス
パン生地を発酵させたり、休ませたりするときに、生地の乾燥を防ぐために使う。帆布屋さんの作ったキャンバス地のパン用マット、150 ×45cmの横長業務用がおすすめ。
<生地を発酵させるときのポイント>
生地を発酵させたり、休ませたりするときは、サラダ油を塗ったボウルに生地を入れて、クロスかラップをかけて生地が乾燥しないようにする。
発酵は30℃以上の暖かい場所で行うこと。寒い季節はふたつきの発泡スチロールの箱に40℃のぬるま湯を張り、生地の入ったボウルを内側に入れてラップをきっちりかける。
Instagram:@tsukurira0714
【書誌情報】
『La vie a la Campagne ジャムとパンのオリジナルレシピ』
ロシャン・シルバ著
中目黒にあるカフェ「La vie a la Campagne」(ラ・ヴィア・ラ・カンパーニュ)。芸能人もお忍びで通う、知る人ぞ知るおしゃれな隠れ家カフェ。店頭で販売しているジャムは密かな人気の逸品。本書では、オーナーのロシャン・シルバさんオリジナルのジャムレシピを掲載。どうしても余りやすいジャムを調味料として使用するアイデアレシピや、ジャムとの相性が抜群なパンやデザートのレシピも紹介します。
ロシャン・シルバ
イタリア生まれ。スイスの高校で建築を学び、イタリアの大学で経営学を専攻。大学卒業後にテキスタイルメーカーに入社し、その後、独立。仕事を通じ多くの日本の人々とつながりができ、日本へ移住。鎌倉の古民家に出会い、最初のカフェ「La maison ancienne」を開く。以後、日本各地にカフェを併設したライフスタイルショップをオープン。アパレルブランドの「THE FACTORY」、雑貨ブランドの「Ambiente」も立ち上げ、自らデザインする。店舗の設計も多数手がける。衣食住まるごとデザインする天性のセンスに国内外問わず多くのファンを持つ。