更新日: 2020/10/26
撮影:masaco、奥 陽子、天野憲仁(日本文芸社) 取材・文:つくりら編集部
『女王陛下が愛した、イギリスの伝統刺繍 ゴールドワークの小物たち』の著者、刺繍作家の倉富喜美代さんのアトリエを取材させていただいたのは、2020年1月のこと。きらびやかで繊細なゴールドワークに倉富さんの遊び心が加わった作品は、伝統的でありながらも、モダンな雰囲気を湛えています。その現代アートのような美しさにすっかり心を奪われてしまったのでした。
▲2020年1月に出版された倉富さんの著書『女王陛下が愛した、イギリスの伝統刺繍 ゴールドワークの小物たち』。ゴールドワーク初心者でも1日で仕上げられる作品も掲載されている。
その後、ゴールドワークへの思いは冷めることなく、ますます募るばかり。思い切って倉富さんに「ぜひ、つくりらでゴールドワークのワークショップを開催させてください!」とお願いしたのでした。
実際、細やかなゴールドワークを初心者にいちから教えるのはとても熱量のいること。「少人数のワークショップでしたら」とのお返事をいただき、春先の実現に向けて粛々と準備を進めていた矢先、コロナ禍に。残念なことにワークショップ企画はそのままお蔵入りとなってしまったのです。
▲著書掲載作品。手の輪郭部分はメタル糸、ハート部分は金糸を用いた作品。ともにゴールドワークのテクニックであるコーチングが使われている。
ワークショップができないのなら、ほかの方法で倉富さんのゴールドワークの世界をお伝えできないか・・・。話し合いを重ねること数ヶ月、ついに、オンラインレクチャーというかたちで、ゴールドワークの魅力と基本テクニックをみなさまにお届けできることになりました。
オンラインレクチャーでは、倉富さんご自身が作品を紹介しながら、ゴールドワークとはどのような刺繍なのかをわかりやすく解説。そして、著書掲載作品の「クリ」を例にとり、ゴールドワークの基本テクニックであるコーチングとチップワークについて実演しています。
▲著書掲載作品。クルミ、ピーナツ、クリと、秋に実る小さな実をモチーフにしたブローチ。ゴールドワークの基本テクニックが詰まっているので、初心者におすすめの作品。
〜ゴールドワークの魅力〜 倉富喜美代さんのアトリエを訪ねて
いざ、ゴールドワークに挑戦しようと思ったとき、つまずきがちなのが材料を自力で揃えること。なかなか踏み出せないときに、ポンと背中を押してくれるのが、作品の材料が揃ったキットです。
今回、つくりらでは、オンラインレクチャーで解説した「クリ」を、数量限定のキットとして、みなさまにお届けします。キットや材料の販売はほとんどしないという倉富さんですが、出版記念ということで、特別にキットに仕立ててくださいました。倉富さんセクレトのスペシャルパーツもプラスされた限定スペシャル版となっています。
▲手のひらにすっぽり入る大きさの「クリのブローチ」。
春先のワークショップにと、倉富さんが考えてくださっていたのは「さくらんぼ」の作品。うつろう季節のなかで、その思いは「クリ」へと託されました。こっくりとした色合いの「クリのブローチ」は、秋の装いのワンポイントになりそうです。
【限定販売キット】倉富喜美代さんの「クリのブローチ」 スペシャルセレクションパーツつき
『女王陛下の愛した、イギリスの伝統刺繡 ゴールドワークの小物たち』の著者、倉富喜美代さんの「クリのブローチ」のキットと、倉富さんセレクトのスペシャルパーツを詰め合わせにしてお届けします。
【内容】
「クリのブローチ」のキット
▲「クリのブローチ」のキット。左下に写っている完成見本はキットに含まれていません。
「クリのブローチ」のキット内容
○メタル糸
○カラーメタル糸
○表布:ハイミロン
○裏布:革
○ブローチ金具
▲スペシャルパーツの内容。左の箱は、著書に登場したカルトナージュ風の作品に使用した箱と同じもの。
スペシャルパーツの内容
○シードビーズ
○ヴィンテージ手芸小物
○アンティークレース
○フリンジコード
○メタル糸
○カラーメタル糸
*アンティークレースは一部詰め合わせが異なります。ご了承ください。
価格:5,000円(税込)
配送方法:宅急便コンパクト
倉富喜美代
刺繍作家。2003年より英国王立刺繍学校(Royal of Needlework)にて伝統刺繍を学ぶ。帰国後、制作活動を続けながら、2008年よりカルチャーセンターや少人数制のレッスン、ワークショップなどで、指導活動を行う。ゴールドワークの伝統的技法をベースにした、遊び心たっぷりの作品を制作。個展・企画展でKIMIYO WORKSとして発信している。2020年1月に『女王陛下が愛した、イギリスの伝統刺繡 ゴールドワークの小物たち』(日本文芸社)を出版。
インスタグラム:@kimiyo_works