フラワーノリタケさんの「ガラスボトルの球根夫人」|つくりら主催ワークショップレポート(後編)

フラワーノリタケさんの「ガラスボトルの球根夫人」|つくりら主催ワークショップレポート(後編)

前編に引き続き、フラワーノリタケさんのワークショップ、「ガラスボトルの球根夫人」の開催レポートをお届けします。

撮影:奥 陽子  取材・文:つくりら編集部  協力:foglinenwork

「春先の球根アレンジメントをお願いします」。つくりらのリクエストに応え、ノリタケさんから送られてきたのは、ガラスボトルに球根をしのばせ、ふたの代わりに花の帽子をかぶせた作品の写真。わぁっ、こんなの初めて!

風変わりなアレンジをまじまじと眺めていたら、着飾ったポンパドゥール夫人の姿が浮かびました。そうだ、このアレンジを「球根夫人」と名づけよう。かくして「球根夫人」は生まれたのでした。

 

球根夫人の“お召しもの”はインド製

その夫人の“お召しもの”はどうなっているのかと申しますと、遠路はるばるインドからやってきた古いガラスボトルのようです。ふたの代わりに帽子の大役を担ったのはホウロウの小皿です。

「フラワーアレンジ専用のトレイもあったのですが、この小皿がぴったりだったので」とノリタケさん。はい、まさしく。サイズといい、形といい、風合いといい、ジャストフィットでございます。

 

ボトルの中は植物の小宇宙

花材の準備が整い、みなさんをお迎えするばかりとなった会場。ガラスボトルも誇らしげに並んでいます。

ノリタケさんが手にしているのは赤葉アカシア。葉先がまるで紅葉したかのように赤く色づいています。アカシアというのは和名で、さまざまな種類があるのですが、総称して英名のミモザと呼ばれるように。

デモンストレーションが始まりました。まずはボトルの中のアレンジです。

ボトルに吸水性スポンジを入れ、その上をコケで覆い、スポンジを隠します。「小さなムスカリの球根を入れます。プミラはスポンジに挿しても、中で遊ばせても。ガラスに花が触れないほうがきれいです」とノリタケさんのアドバイス。

 

帽子の花は高く飛ばして大胆に

ボトルのアレンジができたら、次は帽子です。ボトルの口に小皿をかぶせ、吸水性スポンジを置きます。最初に挿すのはミモザ。「ミモザでスポンジを隠していきます」。このミモザで隠すワザは「球根カーニバル」のリースでも登場しました。

クリスマスローズを飛ばし、ビオラを挿します。「ビオラの茎は柔らかいので、まっすぐにカットします」

ガマズミ、ヤツデの実を挿し、ツルバキアを長く、スカビオサもアクセントに入れます。「吸水性スポンジが隠れるように。高い低いのメリハリをつける。飛ばして高く見せる」。これがノリタケアレンジの3原則。ワークショップの回を重ねるにつれ、覚えてきました。

こちらの花は「ガーベラのかた切り」。かた切りとは、生産者に頼んで、花が咲く前のまだかたい状態で出荷してもらう花のこと。かたいうちに切るから、かた切りと呼ばれているのだと説明してくれました。開いたガーベラが正統派美人だとしたら、かた切りは個性派美人。一度見たら忘れない、そんな面持ちです。

 

球根夫人たちの舞踏会は華やかに

思い思いのアレンジで、みなさんの作品が着々とでき上がっていきます。

一人ひとりのテーブルを回りながらのノリタケチェックも、みなさんが楽しみにしている時間のひとつ。「高い低いのメリハリをつけて」。ノリタケさんのアドバイスにみなさん真剣な表情です。

でき上がった作品は、窓際のテーブルに並べて撮影タイム。その姿は、さしづめ着飾った夫人たちが集う舞踏会のよう。

貴公子、登場(笑)。彼のハートを射止めるのはどの球根夫人なのでしょうか。

ティータイムには、午前のレッスンに引き続き、Herriotさん特製のチョコレートをご用意。こちらは、リボンのついたクルミのチョコレートとフランボワーズガナッシュ入りフランボワーズチョコレートです。

午後のワークショップ「ガラスボトルの球根夫人」にご参加くださったみなさん、ありがとうございました。午前中に行われた「球根カーニバル」は、前編1前編2でレポートしています。こちらもどうぞ。

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