更新日: 2019/10/21
撮影:井出祐理子 文:つくりら編集部
あのグリム童話をクロスステッチで表現した刺繍作家がいます。その名も井出祐理子さん。「心地いい刺繍のある暮らし」をテーマに、15年以上にわたり刺繍作品を制作、定期的に作品展を開いている井出さんですが、今回の作品展は「グリムのお話」がモチーフです。
「ドイツへ移り住んだことにより、アルファベットのアレンジ、クリスマスのモチーフ、グリム童話やバイエルン地方の図案が生まれました。今回展示する作品は、ドイツで暮らしていた間に制作したグリムのお話8作品です」(井出さん)
モチーフとなったグリムのお話は、白雪姫、赤ずきん、狼と七匹の子ヤギ、ヘンゼルとグレーテル、いばら姫、蛙の王さま、灰かぶり、ブレーメンの音楽隊の8作品。
「有名なお話のユーモアあふれるワンシーンをクロスステッチのオリジナル図案に描きました。昔話ならではの人間味にあふれて、ちょっぴり残酷で理不尽な展開も、無邪気な子どもから思慮深き大人へ育ってほしい願いがあるのかもしれません」
グリムのお話と一緒に展示されるのは「Hyggeなクリスマス」。カードやクッション、壁飾りなど、クリスマスの準備をする時間が愉しくなりそうな、クロスステッチのキットやチャートが並びます。
「クリスマスの作品はHYGGEな気持ちを大切に『空に星があるように、大地に愛がありますように』というメッセージを込めて星とハートを潜ませてデザインしています。何かと忙しい暮らしの中でも針を運ぶ愉しい刺繍時間をつくり、心地いい暮らしを過ごせたらと思います」
会期中はワークショップも開催。不定期開催なのでSNSで随時告知をするそう。「ワークショップでは、“道探しの愉しいクロスステッチ”と題して、表がきれいなことはもちろん、裏の糸もできる限り縦に糸が渡るように針を進めるコツをお伝えしています」
▲ワークショップ作品の「蜜蜂の巾着」。「2時間〜2時間半の内容で、できる限り、後ろを渡す糸を真っ直ぐに刺し進めるコツをお話しします」。詳細、申込みはlittle Stitch さんまでお電話で問い合わせを(Tel : 042-505-5837)
井出さんの作品は、花糸とリネンを使った優しい風合いのクロスステッチ。花糸(はないと)とは、光沢のない、ナチュラルな風合いの木綿の刺繍糸のこと。井出さんが花糸に魅せられてしまったのは、1997年に開催されたゲルダ・ベングッドソンさんの作品展『刺繍礼讃』だったそう。
「ベングッドソンさんの図案が素敵なこともさることながら、花糸に一目ぼれしました。花糸というのは、彼女が草花の図案を得意としていたことから名付けられたといわれています。1本どりで使えるので比較的スムーズに針が進み、刺繍がより楽しくなります」
作品展の会場は、東京・JR国立駅より徒歩4分のところにある「布地とクロススティッチのお店 little Stitch 」さん。「私の好きなデンマークの花糸フレメ、ドイツの花糸V&Hとどちらも取り揃えていてくださり、カウントステッチ用のリネンもドイツ、フランス、イタリアと素敵な品揃え。クロスステッチ好きにはたまらないお店です!」
「グリムのお話とクリスマス」
期間:2019.10.2(Wed)〜11.29(Fri)
開催時間:10:30~17:00 (定休日 : 土・日・月・祝祭日)
場所: 「布地とクロススティッチのお店 little Stitch 」
東京都国分寺市光町1-38-3 シティコープ1F
JR国立駅北口より徒歩4分
Tel/Fax 042-505-5837
http://pio10.blog.fc2.com/
ワークショップ情報は、井出祐理子さんのホームページやSNSでご確認ください。
ホームページ:http://www.comfortabledailylife.com/
インスタグラム:@comfortable_dailylife