更新日: 2019/03/14
写真協力:ワサビ・エリシ 文:つくりら編集部
手紡ぎ、手織り、手刺繍。長い歴史のなかで連綿と受け継がれてきた暮らしの手仕事は、国や地域、民族ごとにさまざまな顔を持っています。
東京・羽根木の「ワサビ・エリシ」は、伝統的な針仕事を紹介するギャラリーショップ。「編む」「刺す」「縫う」をキーワードに、国内外の素晴らしい手工芸を集めた企画展は、毎回、興味をそそられるものばかりです。今回、店主の赤松千里さんがスポットを当てたのはフィリピン。豊かな自然に恵まれた7100以上の島々には、100とも200とも言われる民族が住み、民族ごとに個性豊かな衣装があるといわれています。
▲フーシ(バナナの生地)の刺繍ストール。
「今回の展示は、フィリピンの女性たちの手仕事を支援するフェアトレードNGO『パクパク・ナティン』と、膨大な布とかごをもつ『NAYON』のコレクションからセレクトしてお見せしています」と赤松さん。
展示会場には、ルソン、パナイ、ミンダナオの島々で栽培された、芭蕉、亜麻、絹などの原料を使った多彩な手織り布と美しいかごが集まります。なかでも注目はパナイ島で採取される「Pina」(ピーニャ)と呼ばれるパイナップル繊維の布。熟練した織り手でも1m織りあげるのに1週間も要するという希少な布です。
肖像画の女性が纏っているのがピーニャの衣装。一面に精緻な手刺繍が施されたドレスのなんと美しいこと!知られざるフィリピンの手工芸文化にときめいてしまいます。
こちらはピーニャのテーブルリネン。細やかな針仕事にどことなく温かさが感じられます。
展示品のなかには、ピーニャの布に模様を織り込んだ古いシャツも。いったいどんな手法でつくられたのか気になりますね。
迫力満点の織物はミンダナオ島のティボリ族の伝統布。アバカ(マニラ麻)を使っています。
暑い国、フィリピンからやってきた手仕事の品々は、ショールやスカーフ、ハンカチなど、普段づかいで楽しめるアイテムもそろい踏み。自然素材の布は肌触りがよくて、UVカット効果も期待できるそう。これからの季節に向けて暮らしに迎えてみてはいかがでしょうか。
期間:2019.3.13(Wed)-3.25(Mon)
場所:Wasabi-Elisi(ワサビ・エリシ)
東京都世田谷区羽根木1-21-27 亀甲新ろ60
開催時間:11:00~17:00 (木・金 13:00~19:00) *火曜定休
問い合わせ先:03-6379-2590
ホームページ:http://www.wasabielisi.com
インスタグラム:@wasabielisi
WASABI-Elişi (ワサビ・エリシ)
トルコのアジア地方、アナトリアの手仕事の品を中心に扱う、針仕事の専門店。作家ものでもない、手芸でもない、お土産ものでもない、トルコの手仕事の品々を、店主の赤松千里さんが地方のバザールや小さな店に足を運び、直接買い付けている。針仕事のキーワードで、パラグアイの「ニャンドゥティ」や青森のこぎん刺しなどのワークショップも定期的に行っている。店名の「WASABI-Elişi(ワサビ・エリシ)」は、清々しい青い葉「わさび」と、トルコ語の「手仕事」=「Elişi」を合わせた名前。
156-0042 東京都世田谷区羽根木1-21-27 亀甲新 ろ60
営業時間:11:00~17:00(木・金 13:00~19:00)
定休日:火曜日(祝日は営業)
TEL : 03-6379-2590
http://wasabielisi.com