更新日: 2018/10/10
前編では、カメラの基本とスマートフォンでの撮影のコツについてお話ししました。後編は、光を上手に使った撮影の方法や一眼レフカメラの使い方が登場します。
撮影:清水美由紀 取材・文:つくりら編集部 撮影協力:スタジオブーケ
レッスンの中盤は、撮りたいものの撮影タイム。持ってきた被写体をみなさん好きな場所にセッティングしていきます。ここからは一眼レフカメラの出番です。
大きなリースを持ってきた方は、椅子を使っての撮影。窓際に寄せています。
「窓からの光はサイド光、シャドウ側を向いているかハイライト側を向いているか、微妙な位置で光の受け方が変わるので、光をよく見てセッティングしましょう」と奥さん。
こちらの方はリング。セットしたのは椅子の上です。奥さんが撮ってみます。
撮った写真を画面でチェック。影を見ると、被写体に斜めから光が当たっていることがわかります。絞りのF値はF2.8。ピントは浅めです。
「カッコよく見せたいのか、可愛く見せたいのか、によって光の当て方が変わります。光に背を向ける逆光は、わざと光を落とすことによってシルエット風になるので、カッコよくなります。ものに対して横から光を当てるサイド光は、立体的に見せられるので、こっくりとした、フランスっぽい感じになります」
メインにしたいものが、どうやったら際立つか? 際立たせるためにどんな光の当て方がいちばんいいのか? それを考えながら撮影するのがポイントだと教えてくれました。
さらにこんなテクニックも。
「部屋の灯りをつけたまま撮影する場合、電球マークに設定すると、電球色の赤っぽさが補正されるよう、青いフィルターがかかります。窓からの太陽の光が混ざっているときは、これだと青く補正されすぎる感じがするので、AWB(オート)にしておけば適度にカメラが補正してくれます」
ひとしきり撮影が済んだところでちょうどお昼に。スタジオブーケさんが用意してくれたランチが登場!彩り美しいワンプレートにカトラリーにナプキンリング・・・。フォトジェニックなセッティングに、これまた格好のシャッターチャンスが。
ランチ後のスペシャル企画として、スタジオブーケさんが用意してくれたのはスイーツ。お菓子教室bonbonbon!!の稲山由紀子さん特製です。
「季節が夏でしたので、グラスのキラキラ感や瑞々しさが感じられるグレープフルーツのパンナコッタをお願いしました。ホールケーキは稲山先生のお気遣いで、ビジュアル的に美しくなるよう、アールグレイのシャルロットに季節のフルーツを載せて、フォトジェニックなケーキに仕上げてくださいました」と悦子さん。
グラススイーツをメインテーブルに移動し、撮影してみます。
すると、こんなふうに奥行き感のある写真になりました。
「グラススイーツはキラキラ感、透け感を出すといいですね。人の気配を入れてみるのもひとつの方法です。人が入っていなくても、小道具で人の気配を感じさせることもできます」
たとえば、スプーンですくってみたり、と、奥さんが実演してみせます。
みなさんも思い思いのアングルからトライ。
「カトラリーを入れたり、2セット置いて人の気配を感じさせるなどは、フード業界の撮影ではよく使う方法です」
ホールケーキもカットされてサーブされました。「その子がいかに美味しそうに、魅力的に見えるかを探してください!」。奥さんの声が飛びます。
レッスンの最後は、奥さん自身を被写体にして(!)、みんなで撮影。「撮られることには慣れていません」と最初は照れていた奥さんもしまいにはこの笑顔!
あっという間の数時間。参加した方に感想を伺ってみると、「カメラって操作だけじゃない。写真はアートなんだって思いました」、「どうしたらきれいに見せられるかを感覚的に教えてもらえました」と、みなさんにっこり。
奥さん自身の明るく気取りのない人柄も相まって、和気あいあいとした楽しいレッスンでした。次回はぜひ、一眼レフカメラを持参して参加したいです!
奥 陽子
兵庫県生まれ。多摩美大グラフィック科を卒業後、レンタルスタジオ勤務の後、カメラマン専属アシスタントを経て2013年にフリーランスとして独立。人物、物、風景、ジャンルを問わず写真を撮る。現在、雑誌、カタログ、広告、ウェブと幅広く活動中。
Studio Bouquet (スタジオブーケ)
千葉県・新浦安にあるスタジオで、レッスンや撮影などに空間を提供。オーナー自らリメイクして造りあげた「パリのアパルトマン」をイメージしたインテリアが評判に。フラワーアレンジメント、カルトナージュをはじめ、多彩なレッスンを行っている。
ホームページ:http://studiobouquetb.wixsite.com/website
インスタグラム:@studiobouquet