キュレーション・イベント(前編)|思わずシェアしたくなる、素敵な発見!モノ、コト、フードに出会える場。Spice’n Taste MARKET

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キュレーション・イベント(前編)|思わずシェアしたくなる、素敵な発見!モノ、コト、フードに出会える場。Spice’n Taste MARKET

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12月初旬、東京・神宮前に期間限定ショップ、「Spice’n Taste MARKET」が3日間だけオープンしました。ユニークな作品に出会えて、ワークショップにも参加でき、そのうえ美味しいフードまで!そんな三拍子そろった、ときめきマーケットを取材しました。前編、後編の2回に分けてご紹介。前編はイベントの様子を、後編では出展者のひとり、バッグや雑貨のデザイナー、LLOの竹川ゆり子さんの作品をクローズアップします。

撮影:奥 陽子 取材・文:つくりら編集部

「Spice’n Taste Marketに出展します。よかったら見に来ませんか?」。バッグや雑貨を手がけるLLO(ロー)のデザイナー、竹川ゆり子さんからご連絡をいただき、イベント公式サイトをのぞいてみたら、なんだかすごく楽しそう! ぜひ伺います!ということで、さっそく初日に足を運びました。

 

忙しい年末に“ちょっと息抜き”を

会場は東京・外苑前のコミュニケーションスペース、「グローカルカフェ」。地下鉄の外苑前駅から徒歩5分、大通りをひとつ入った道にある路面店のおしゃれなカフェです。

天井にはキラキラと輝くオーナメントがゆらり。クリスマスらしい演出に早くも気分が上がります。会場演出を手がけたのは、人気インテリアスタイリストの黒田美津子さん。細部にわたる空間演出にもヒントがいっぱいです。

このイベントは今年で4回めだそうで、2017年のテーマは、「R & R = Rest & Relaxation(レスト&リラクゼーション)」。ちょっと一息入れて気分転換をしましょう! そんな願いが込められているとのこと。

ウッディな空間には、出展者ごとにディスプレイされた品々が並んでいます。

 

バラエティに富んだ出展作品

壁面を飾っているのは、右がLLOの竹川ゆり子さんのバッグと小物、左が自由が丘のフラワーショップ「BLOOM&STRIPES」さんのお正月飾りです。

ひときわ目を引いた可愛らしいリスの看板は、編み物の「amirisu(アミリス)」さんのコーナーです。

amirisuは「日本の編み物をもっとおしゃれでかっこいいものにしたい!」と、タナカメリさんとオチアイトクコさんの二人が立ち上げた会社。2012年に編み物に特化したオンラインマガジン『amirisu』を創刊し、2014年には印刷版も発刊。現在、なんと世界12か国の約100店舗で販売されているそう。

海外の毛糸も数多く扱っていて、この日、ブースに並んでいたのは、可愛らしい靴下のイラストが書かれたソックヤーン。Mondimというのは、かつて靴下編みで有名だったポルトガルの村の名前なのだそう。段染めの色合いがとってもきれい。こんな毛糸だったら、難しい靴下編みも頑張れそうです。

amirisuさんのワークショップ、「knit cafe」はイベント2日めに開催。参加できずに残念!

amirisuさんのお隣りに並んでいたのは、これまた美しい色! テキスタイルデザイナー、Kazumiさんのハンカチーフです。

四角いスペースのなかに広がる自然の風景や草花。インスピレーションの源は、お母様が大切にしていた庭の花なのだそう。Kazumiさんのホームページをのぞいてみると、花々や土の持つ色、香りなど、庭仕事を手伝いながら感じた命のエネルギーを描くこと、それがなによりも好きなのだと綴られていました。

日だまりに溶けていきそうなやわらかなニュアンスは、見ていると気持ちが軽やかに。首もとにふわりと纏ってみたくなります。

なんとも可愛い表情のヒツジは、ぬいぐるみ作家、S.BUGI(エスブギ)の浅賀恵美さんの作品です。

「このヒツジたちは、聖歌隊なんですよ」と浅賀さんが説明してくれました。見ると、おなかのポケットに楽譜らしきものが。作品はたいがい、古着とかヴィンテージなどを再利用してつくることが多いとか。「布を見た瞬間、これがつくりたい!」とひらめくのだそう。

会場には、会場演出を手がけた黒田美津子さんのセレクトによる、ギフトにぴったりの雑貨や商品も並んでいます。お世話になった方々や友人、そしてもちろん自分へのごほうびとしても。

 

期間限定ランチの美味しさにホロリ

「Rest & Relaxationのテーマに合わせて、フードも気軽にふっと食べられるものを考えました」。そう教えてくれたのは、フードプロデュースを手がけた工藤高子さんです。


▲エプロン姿で現場を切り盛りする工藤高子さんは元編集プロダクションの社長。つい最近まで夜は青山でバーも開いていたというパワフルウーマン。

サンドイッチボックスは、東京・目黒区で小さなレストランバーを営む「お料理akane」さんの提供。写真は、ベーコン、レタス、トマトのBLTサンドです。

初日の日替わり副菜は、かぼちゃとサツマイモのサラダ。焼き菓子用のスパイスを効かせた味は、想像を越えた美味しさ! 記者もカメラマンも「こんなサラダ初めて!」と大絶賛でした。

劇的に美味しかったこのスパイスは、スパイス調合家、atelier CROISEMENT(アトリエクロワズモン)の日沼紀子さんのコラボレーション。会場では日沼さんがオリジナル調合したスパイスも販売されていました。スパイス、なかなか奥が深そう。知らなかった世界に出会えて、ちょっとうれしい瞬間です。

 

新しい出会いからつながっていく世界

今回のイベントを主催したのはSpice Rackさん。独立自営して働く女性をサポートする会員制のコミュニティとして2011年に活動を開始し、様々な形で支援しています。

Spice’n Taste MARKETのイベントには、会員(“スパイス”と呼ばれています)と、会員でない人が出展していますが、共通点は全員自営する女性である、ということ。

代表のグレイ俣野ゆき子さんにお話を伺いました。

「当初は、会員の活動や作品をアピールするために、会員のみによる展示会を行っていましたが、よりイベントとして魅力的なものにしていきたくて、2014年から始めたのが『Spice’n Taste MARKET』です」

「毎日を楽しくする食とライフスタイルの期間限定マーケット」をコンセプトに、クリエイターの作品、暮らしに役立つ雑貨、セミナー&ワークショップという3つを軸に、コトやモノをキュレーションしていったそう。

「働く女性は、それぞれの個性、才能、スタイルを持ち、社会に芳ばしい刺激を与える、スパイス。私たちは、Spice Rackという名前の通り、スパイスを入れる“入れ物”や“棚”なんです。コンサルタントやマネージャーではなくて、みなさんの仲間。女性たちのすぐれた仕事を、より多くの方々に見ていただきたくイベントを開催しています。Spice Rackを始めて、様々な仲間と出会えたことも大きな収穫です」

出会った人々をぐんぐん巻き込み、絶妙な化学反応を起こしながら、輪が広がっていくキュレーション・イベント。次回はもっとこんなこと、あんなこと・・・そこには、つくる側も見る側も夢中させる“魔法のスパイス”が潜んでいるのかもしれません。

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