更新日: 2017/10/01
写真協力:Tisane infusion 文:つくりら編集部
Tisane infusionの則武有里さんが、「おじいちゃんの封筒」のことを知ったのは、ひょんなことからでした。
「じつは、“おじいちゃん”の孫の藤井咲子さんは、Tisaneで扱う雑貨の卸先にお勤めなんです。以前からお世話になっているスタッフの藤井さんが本を出して展示もすること聞き、本を購入してびっくり。もう脱帽でした」
展示される封筒は、大工だった藤井さんの祖父が、80歳くらいから95歳まで、一日中つくり続けた封筒の数々。穴のあいた紙は継ぎ、薄い紙は重ね、厚い紙は裂いて、繰り返された毎日から生まれたものたちです。
孫の咲子さんが初めて場所を借りて展示をしたときは、おじいさんの家に咲子さんが遊びに行ったときのように、みなさんに持ち帰ってもらったそう。その後の展示では、お持ち帰りはなくて、展示のみ。全部で5000枚以上はあるといいます。
「古いものを見たり、扱っていると、日常使いに使われている無骨で素朴な雑器や道具などの絵や色、形が素晴らしかったりして、ひどく感心したりする事によく出会います。
作家のくくりにこだわらない無欲で名もない作り手たちが、無心で描くもの、つくったものがぐっと心にくるんです。それと同じく心の中にずっしり響く何か大事なものを思い出させてくれたのです。
これは、何かしらものづくりに携わっている人、何かを始めたいと思っている人、この封筒をみて何かしら感じてくれる人のために、ぜひ展示をと思い、お願いしました」
Tisane infusionの展示では、会期中「封筒」にちなんで、紙をテーマにヨーロッパの古い紙、手紙や書類、植物画などを集めて、販売するそう。
「毎日繰り返されるなかで、ある日突然、芸術的な作品になってしまったような…。夢のような話はきっと簡単なようで簡単では無いと思います。でもシンプルに気づく事があるのでないでしょうか?おじいちゃんというのはとても身近な存在なので、それこそが一番の魅力だと思います」
期間:2017.10.1(Sun)-15(Sun) 11:00〜18:30 *会期中は木曜休
場所:Tisane infusion
〒461-0005 名古屋市東区東桜1-10-3 7F
問い合わせ先:tel: 052-951-7117(Tisane infusion)
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