更新日: 2017/07/14
Nutelさんの作品展に初めて足を運んだのは、2016年の初夏のこと。
今回と同じ、東京・新富町の「さんのはち」で開かれていた「コトリ展」。 そのとき「ライブソーイング」というものを知りました。 イギリス・ブリストル出身のミュージシャンが奏でるアフリカの弦楽器、Kora(コラ)の音色に合わせて、Nutelさんはコトコトとミシンを踏み、インスピレーションのおもむくままに絵を仕上げていったのです。
「ミシンドローイング」というだけでも新鮮なのに、それに「ライブ」が加わった。「こんな世界もあるんだぁ」と、強烈なインパクトをもって記憶に刻まれました。
同じ年の秋、銀座の「森岡書店」で開かれた「hanahito」(ハナヒト)も印象的な作品展でした。そこでは展示された原画を収録した本が販売されていたのですが、その中の数冊だけ、絵が違う、つまり”当たり”があるというのです。家に帰ってからほのかに期待してページをめくりましたが、残念ながら私が持ち帰った本は”はずれ”。それでも、その粋な仕掛けがまたもや心に刺さりました。
だから、Nutelさんの作品展と聞くたびに、「今度はどんなサプライズが飛び出すのだろう」と期待せずにはいられないのです。今回の「彼女の好きなもの」展は、表題にあるように、第3回め。1回めは2013年に代官山の「OFF」で、2回目は2015年に「森岡書店」で開催されました。
2017年の”好きなもの”は、さて、どんな姿で現れるのでしょうか。
会期中、うれしいことに1日だけワークショップが開かれるそう。 Nutelさんがミシンで描いた絵の上に、好きな色の刺繍糸で刺繍して色をつけ、ブローチやヘアゴムに完成させるというもの。言うなれば、Nutelさんと訪れた人のコラボラーション、「彼女と”私”が好きなもの」という、スピンアウト企画ですね。
会場にはミシンを持ち込むそうなので、即興の「ミシンドローイング」に出会えることも期待して。
期間: 2017.8.4 (fri)- 11(fri) 12:00〜18:30(最終日17:00)
場所:さんのはち
東京都中央区新富2-4-9 三新ビル3F
https://3no8.jimdo.com
問い合わせ:tel 090-4544-3695 mail:sannohachi@piano.ocn.ne.jp
ワークショップ 8.5(sat)12:00〜16:00 参加費:3,000円 *お好きな時間にいらしてください。
Nutel (ヌーテル)渡邊笑理
ソーイングアーティスト。嵯峨美術短期大学卒。2003年から、ミシンを使ったフリーハンドステッチで絵を描き始める。主に植物や動物を布にスケッチするような感覚で縫い描く絵画が特長。国内外から高い評価を得ている。
http://nutel.jp