更新日: 2024/03/01
人気イラストレーターくらはしれいさんのイラストを刺しゅうで楽しむ『くらはしれいの不思議の国のクロスステッチ』から、クロスステッチの基礎とちょっとしたコツを紹介する第2回目。はじめてのクロスステッチの参考としてご覧ください。
撮影:島根道昌、天野憲仁(日本文芸社)、文:つくりら編集部
ハーフ・ステッチで刺しながら往復する方法と、一目ずつ仕上げる方法があります。刺し進め方(横に進む、縦に進むなど)を揃えると、糸に無駄が出ず、自然に表も裏もきれいに仕上がります。離れた位置に刺す場合、3~ 4目であれば裏に糸を渡してもかまいません。
*奇数+出=針を出す位置(例・1出)、偶数+入=針を入れる位置(例・2入)。点線は糸が裏を渡る部分。
●ハーフ・ステッチ(ハーフクロス・ステッチ)
マス目の対角線に刺す。重ねるとクロスステッチになる。
●横に進む方法
ハーフ・ステッチで右に進み、左に戻りながら完成させる方法。裏は糸が縦に並ぶ。
【1】マス目の左下1から針を出し、2に入れる。次に3から出し、次のマス目の右上(★4)に入れる。続けて同様に刺す。
【2】端まで刺したら、右下7から針を出し、左上(★8)に入れる。
【3】2をくり返して ✕ を完成させていく。最後は左上(★12)に入れる。刺し終わって次の列に移るときは、下のマス目の左下から針を出す。
●縦に進む方法
ハーフ・ステッチで下に進み、上に戻りながら ✕ を完成させる方法。裏は糸が縦に並ぶ。
【1】マス目の右上1から針を出し、左下2に入れる。次に下のマス目の左下3から出し、右上(★4)に入れる。続けて同様に刺す。 2列ごとに、針を出し入れする方向が変わるので注意する。
【2】最後が奇数列の場合は左上7から針を出し、右下(★8)に入れる。最後が偶数列の場合は右下から針を出し、左上に入れる。その後上の列の左上から針を出し、【2】、【3】と同様に続ける。
【3】9から針を出し、10に針を入れる。11から針を出し、最後は右下(★12)に入れる。
●1目ずつ仕上げる方法(斜めに進む場合)
1目ずつ ✕ を完成させながら刺す方法。1目だけ刺したいとき、目が離れているときなどに応用できる。
【1】マス目の左下1から針を出し、2に入れる。3から出し、右下(★4)に入れる。これで1目完成。
【2】続けて刺したいときは右下のマス目に移り、【1】と同様に1目ずつ完成させながら刺す。
【3】最後は右下(★12)に入れる。
作品の中では ✕ の目のかけ方(重なり方向)を揃えること。本書ではフランス式と呼ばれる \ が上の方法で統一しています。
2本どりの場合、糸がよじれたり重なったりしないようにして、一針ごとに整えながらふっくらと刺しましょう。刺し方を揃えることで、表も裏もきれいに仕上がります。
NG例
Instagram:@tsukurira0714
【書誌情報】
『くらはしれいの不思議の国のクロスステッチ』
著:くらはしれい 刺しゅう:加納博子
絵本作家、イラストレーターとして活躍中のくらはしれいさんのイラストがクロスステッチになりました。
少女や動物、いろいろな表情を見せるネコたち、季節のこどもたちなど、くらはしさんならではのイラストを刺しゅうで描きました。まるで絵本のようなクロスステッチ図案集です。ステッチが仕上がったら、小物に仕立てる方法も掲載しています。お気に入りの図案を好みの布に刺しゅうして、とっておきの布小物をつくってみましょう。多くの人の心を捉えて離さないくらはしさんのイラストを、手仕事、刺しゅうならではのやわらな風合いで描く、贅沢な時間をお楽しみください。くらはしれいさんのファンも必携の1冊です。
くらはしれい
岐阜県生まれ。絵本作家。イラストレーター。こどもや動物などの、どこか不思議でレトロな雰囲気で、独特な色合いのイラストを得意とする。書籍や絵本の挿絵、お菓子のパッケージ、ファブリック、雑貨などのイラストも手がける。近著に『こねこのトト』(白泉社)、『おてがみBOOK』(世界文化社)などがある。絵本作品に『王さまのお菓子』(世界文化社)、『レミーさんのひきだし』(小学館)他多数。
https://kurahashirei.com/
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X @ hakoniwa01kdnm
加納博子
京都市生まれ。同志社大学卒。おんどり手芸アカデミーにて欧風刺しゅうを学ぶ。現在は横浜にてアトリエ加納主宰。人と自然へのやさしい心を常に、本や刺しゅうキットへのデザインを行っている。産経学園(自由が丘、新百合ヶ丘)、株式会社カルチャー(南林間)にて、ヨーロッパ各国に伝わる刺しゅうのテクニックを伝授するとともに、個々の発想を生かす指導を心がけている。
Instagram @ ts.atelierk