更新日: 2022/06/17
世界各地の伝統的なテキスタイルの色に焦点を当てた『世界の配色見本帳』。配色パターンやテキスタイルのデザイン集として学べる新しいタイプの配色見本帳です。ドイツの伝統的なテキスタイルの一例を紹介します。
文:ザ・ハレーションズ 撮影:サカモトタカシ 文:つくりら編集部
「シュニール」とは、フランス語で「いも虫」の意味。シュニール織に使われる糸、モールヤーンのプクプクとした質感が似ていることから、そう呼ばれるようになったといわれる。シュニール織は、表裏両面とも同じ色柄、柔らかな質感が特徴で、複雑な製織工程を経て織り上げられる。
フェイラーは、そんなシュニール織の代表的ブランド。最大の魅力は色柄の美しさで、保有する糸は約130色にものぼり、ひとつの柄に最大18色使用できるという。繊細なデザインや微妙なグラデーションといったフェイラーならではの美しい表現は、長きにわたってファンを魅了している。
【配色イメージ】
1804年、フランス人発明家のジャカールによって考案された「ジャカード織機」。この織機を使って織られた生地を「ジャカード」という。それまで手作業で行っていた紋織の糸のパターンを、穴の空いたパンチカードを使うことで自動化し、複雑な紋織が高速かつ正確につくれるようになった。立体的なデザインを細かく織り込むことで、厚みが出て、鮮やかな光沢感のある高級感たっぷりの生地に仕上がる。カーテンなどに使われることが多い。
【配色イメージ】
【テキスタイルの問い合わせ先】
フェイラー:フェイラージャパン(https://www.feiler-jp.com)(https://feiler.jp)
ジャカード織:緑園(https://ryokuen.tokyo/)(https://www.happiness-shopping.com/)
Instagram:@tsukurira0714
Twitter:@tsukurira0714
【書誌情報】
『世界の配色見本帳』
ザ・ハレーションズ著
橋本実千代監修世界各国の伝統的なテキスタイルから、配色パターンやデザインを学べる新しいタイプの配色見本帳です。
長い歴史を持つ民族的な織物や染物から、ソレイアードやフェイラー、ローラ アシュレイといった人気ブランドまで、228種のテキスタイルを掲載、配色パターンは955種!
テキスタイルごとに使用色とボリュームを、見た目の印象で置き換えた「配色バー」で示しています。すべての色にはRGBとCMYKの数値を記載しているので、印刷にもデジタルにも対応。基本的な色のしくみや、世界各国のテキスタイルの特徴や歴史的背景も解説します。国旗とは違った各国の独特なテキスタイルを学べて、新鮮な配色を楽しむことができます。クリエイティブな活動に役立つ一冊です。
ザ・ハレーションズ
編集兼ライターの武智美恵とデザイナー兼イラストレーターの伊藤智代美からなる創作ユニット。
カラフルな色が大好きで「色」と「編み物」にまつわる著書を多数出版。ザ・ハレーションズ名義では『世界のパンチカラー配色見本帳』(ピエブックス)、『かぎ針編みのモチーフ 色づかいと配色の見本帖』(誠文堂新光社)、『かぎ針で編むモチーフデザインBOOK』(日本文芸社)などがある。
www.facebook.com/halations
橋本実千代
婦人服地のテキスタイル卸売会社に11年勤務後、色彩講師の道へ。クリエ・スクール、跡見学園女子大学他、企業、個人向けに色彩教育を行う。テレビ、雑誌、新聞の連載等でも活躍。
日本色彩学会正会員 色彩検定協会認 定色彩講師 東京商工会議所認定講師。
近著は『世界でいちばん素敵な色の教室』、『366日 日本の美しい色』/監修(三才ブックス)。