更新日: 2022/04/07
世界各地の伝統的なテキスタイルの色に焦点を当てた『世界の配色見本帳』。配色パターンやテキスタイルのデザイン集として学べる新しいタイプの配色見本帳です。
文:ザ・ハレーションズ 撮影:サカモトタカシ 文:つくりら編集部
『世界の配色見本帳』からアフリカ大陸のテキスタイルを紹介します。力強さと元気な配色が特徴です。
19世紀頃にオランダから持ち込まれたワックスプリントは、インドネシアのろうけつ染め「バティック」がルーツといわれる。実際、伝統的なワックスプリントは、ろうを使った染色方法で何重にも色を重ねており、一見裏表がわからないほど。そんな濃厚な色合いと生活に密着したモチーフを取り入れたユニークな柄が魅力。カンガのように一枚の絵のような柄ではなく、連続柄の生地なので幅広い用途で重宝されている。
【配色バー】
プリン? 切り株? あるいは円盤ともとれるユニークな柄。印刷の三原色に近いシアン(緑みの青)、マゼンタ(赤紫)、イエロー(黄)が使用されている。この3色は色相環上で三角形を形成する位置にあるため、対照性を感じる配色となっている。
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もう一枚は、目が覚めるような対照色相配色の黄と水色を互い違いに配置。グリッドの規則的なデザインにも動きを添えている。
東アフリカのタンザニア、ケニアなどで19世紀後半から巻き衣として発展してきた一枚布(幅約110×長さ約150cm)。幾何学模様や草花をモチーフにしたデザインと原色を組み合わせた発色のよさに加え、「jina」といわれるスワヒリ語のことわざやメッセージなどがプリントされているのが特徴。
マダガスカル製は「ランバワーニ」と呼ばれ、デザイン性の高い柄が多いカンガに比べ、南国的で素朴な絵であることが多い。
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ピンクと黄の蛍光色を存分に使った、鮮やかな一枚絵がプリントされたランバワーニ。その中で縁取りと空の色に使用した深い緑が調整役となり、全体をまとめている。
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ユニークな配列のペイズリー柄。
ベースカラーの青緑に紫と補色関係の黄緑を配色することでアクティブな印象に。
テキスタイルの問い合わせ先:梅田洋品店 https://africawaii.com/
Instagram:@tsukurira0714
Twitter:@tsukurira0714
【書誌情報】
『世界の配色見本帳』
ザ・ハレーションズ著
橋本実千代監修
世界各国の伝統的なテキスタイルから、配色パターンやデザインを学べる新しいタイプの配色見本帳です。
長い歴史を持つ民族的な織物や染物から、ソレイアードやフェイラー、ローラ アシュレイといった人気ブランドまで、228種のテキスタイルを掲載、配色パターンは955種!
テキスタイルごとに使用色とボリュームを、見た目の印象で置き換えた「配色バー」で示しています。すべての色にはRGBとCMYKの数値を記載しているので、印刷にもデジタルにも対応。基本的な色のしくみや、世界各国のテキスタイルの特徴や歴史的背景も解説します。国旗とは違った各国の独特なテキスタイルを学べて、新鮮な配色を楽しむことができます。クリエイティブな活動に役立つ一冊です。
ザ・ハレーションズ
編集兼ライターの武智美恵とデザイナー兼イラストレーターの伊藤智代美からなる創作ユニット。
カラフルな色が大好きで「色」と「編み物」にまつわる著書を多数出版。ザ・ハレーションズ名義では『世界のパンチカラー配色見本帳』(ピエブックス)、『かぎ針編みのモチーフ 色づかいと配色の見本帖』(誠文堂新光社)、『かぎ針で編むモチーフデザインBOOK』(日本文芸社)などがある。
www.facebook.com/halations
橋本実千代
婦人服地のテキスタイル卸売会社に11年勤務後、色彩講師の道へ。クリエ・スクール、跡見学園女子大学他、企業、個人向けに色彩教育を行う。テレビ、雑誌、新聞の連載等でも活躍。
日本色彩学会正会員 色彩検定協会認
定色彩講師 東京商工会議所認定講師。
近著は『世界でいちばん素敵な色の教室』、『366日
日本の美しい色』/監修(三才ブックス)。