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力強さを感じる色使い ワックスプリントとカンガ/ランバワーニ|『世界の配色見本帳』

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世界各地の伝統的なテキスタイルの色に焦点を当てた『世界の配色見本帳』。配色パターンやテキスタイルのデザイン集として学べる新しいタイプの配色見本帳です。

文:ザ・ハレーションズ 撮影:サカモトタカシ 文:つくりら編集部

『世界の配色見本帳』からアフリカ大陸のテキスタイルを紹介します。力強さと元気な配色が特徴です。

 

「ワックスプリント」 西アフリカ一帯

19世紀頃にオランダから持ち込まれたワックスプリントは、インドネシアのろうけつ染め「バティック」がルーツといわれる。実際、伝統的なワックスプリントは、ろうを使った染色方法で何重にも色を重ねており、一見裏表がわからないほど。そんな濃厚な色合いと生活に密着したモチーフを取り入れたユニークな柄が魅力。カンガのように一枚の絵のような柄ではなく、連続柄の生地なので幅広い用途で重宝されている。

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プリン? 切り株? あるいは円盤ともとれるユニークな柄。印刷の三原色に近いシアン(緑みの青)、マゼンタ(赤紫)、イエロー(黄)が使用されている。この3色は色相環上で三角形を形成する位置にあるため、対照性を感じる配色となっている。

 

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もう一枚は、目が覚めるような対照色相配色の黄と水色を互い違いに配置。グリッドの規則的なデザインにも動きを添えている。

 

「カンガ/ランバワーニ」 東アフリカ一帯・マダガスカル

東アフリカのタンザニア、ケニアなどで19世紀後半から巻き衣として発展してきた一枚布(幅約110×長さ約150cm)。幾何学模様や草花をモチーフにしたデザインと原色を組み合わせた発色のよさに加え、「jina」といわれるスワヒリ語のことわざやメッセージなどがプリントされているのが特徴。

マダガスカル製は「ランバワーニ」と呼ばれ、デザイン性の高い柄が多いカンガに比べ、南国的で素朴な絵であることが多い。

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ピンクと黄の蛍光色を存分に使った、鮮やかな一枚絵がプリントされたランバワーニ。その中で縁取りと空の色に使用した深い緑が調整役となり、全体をまとめている。

 

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ユニークな配列のペイズリー柄。
ベースカラーの青緑に紫と補色関係の黄緑を配色することでアクティブな印象に。

 

テキスタイルの問い合わせ先:梅田洋品店 https://africawaii.com/

Instagram:@tsukurira0714
Twitter:@tsukurira0714

【書誌情報】
『世界の配色見本帳』
ザ・ハレーションズ著
橋本実千代監修

書籍『世界の配色見本帳』

世界各国の伝統的なテキスタイルから、配色パターンやデザインを学べる新しいタイプの配色見本帳です。
長い歴史を持つ民族的な織物や染物から、ソレイアードやフェイラー、ローラ アシュレイといった人気ブランドまで、228種のテキスタイルを掲載、配色パターンは955種!
テキスタイルごとに使用色とボリュームを、見た目の印象で置き換えた「配色バー」で示しています。すべての色にはRGBとCMYKの数値を記載しているので、印刷にもデジタルにも対応。基本的な色のしくみや、世界各国のテキスタイルの特徴や歴史的背景も解説します。国旗とは違った各国の独特なテキスタイルを学べて、新鮮な配色を楽しむことができます。クリエイティブな活動に役立つ一冊です。

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