更新日: 2022/03/10
伝統模様から創作模様まで、3人の作家によるこぎん刺しの図案集『連続模様で楽しむ はじめてのこぎん刺し』(日本文芸社 編)から、布と針について紹介します。
撮影:天野憲仁(日本文芸社) 文・編:日本文芸社
こぎん刺しにおすすめなのは、布目が数えやすい平織りの布。『連続模様で楽しむ はじめてのこぎん刺し』では、こぎん刺し用に織られた麻布のほかに、刺しゅう用のリネンなども使用しています。
▲左からオリンパス コングレス、DARUMA こぎん布、つきや 麻252
オリムパス コングレス
クロスステッチなど、織り糸を数えながら刺す刺しゅうに適した綿100%の布。約7×7目/cm。カットクロスは約44×50cm、全8色。
DARUMAこぎん布
模様が縦長に刺し上がるよう、こぎん刺しのために開発された麻100%のカットクロス。約縦9×横7目/cm。縦50×横44cm。全6色。
つきや 麻252
伝統的な縦長の模様に刺し上がる、「つきや」オリジナルの麻布。約縦8×横7目/cm。50㎝幅と90cm幅があり、50cm幅は全9色。
▲左からツヴァイガルト ダブリン 、ツヴァイガルト カシェル、ツヴァイガルト ベルファースト
ツヴァイガルト ダブリン
刺しゅうに適したドイツ製リネン。適度な張りがあり、刺し心地もなめらか。約10✕10目/cm。生地幅約140cm。
ツヴァイガルト カシェル
刺しゅうに適したドイツ製リネン。「ダブリン」よりも少し目が細かいが、色数は豊富。約11✕11目/cm。生地幅約140cm。
ツヴァイガルト ベルファースト
刺しゅうに適したドイツ製リネン。先の2種に比べて目が細かく、やや上級者向け。約12.4✕12.4目/cm。生地幅約140cm。
布の織り目を拾いながら刺していくこぎん刺しでは、使う布によって刺し上がる模様の大きさが変わります。布目の大きさは、1cm四方あたりのタテ糸とヨコ糸の本数で表わします。また、同じ図案でもタテ糸とヨコ糸の本数によって刺し上がりの形が変わります。
▲左a、右b
aは「オリムパス コングレス」、b は「DARUMA こぎん布」を使用して刺したものです。
布目を拾いながら刺していくため、織り糸を割らないように先が丸くなった専用針を使います。針穴が大きく、糸が通しやすいのも特徴。クロスステッチ針やとじ針でも代用可能です。
▲上からa、b、c
a こぎん針
こぎん刺し専用の針。一度にたくさんの目が拾えるよう、長めにつくられている。
b とじ針
15~17番程度の細糸用のものが適している。
c クロスステッチ針
18番程度の針が適している。使う糸の本数によって調整を。
1. 針を左手に持ち、糸端を人さし指にのせて、その上に針先を軽く押し当てる。
2. 糸端を針にかけて二つ折りにし、右手で根元をしっかり持ってゆっくりと針を引き抜く。
3. 糸が平らな状態のまま、わになった部分を針穴に当て、指先から押し出すようにしながら糸を通す。
4. 短いほうの糸端を約10cm残しておく。一度に使う糸の長さは約1mを目安に、模様の大きさで調整する。
Instagram:@tsukurira0714
Twitter:@tsukurira0714
【書誌情報】
『連続模様で楽しむ はじめてのこぎん刺し』
日本文芸社 編
デザイン・製作 hanakogin、みずのよしえ(hitoharico)、金子 梢(promener avec)
こぎん刺しの図案集です。
伝統模様を中心に、手軽に楽しめるものから刺しごたえたっぷりのものまで、こぎん刺しの連続模様を多数ご紹介。単独で刺してワンポイントに。配置を変えたり、連続で刺したり、模様を反転させたり。布と糸の組み合わせを替えたりするだけでひとつの図案が、いく通りにも楽しめます。
こぎん刺しの基礎もわかりやすく解説。基本のルールを理解することで、模様を組み合わせたり、連続で刺したりと、アレンジがしやすくなります。
さらに伝統模様から創作模様まで、3人の作家によるさまざまな図案を紹介します。仕立てを加えた、コースターやブローチなどのアレンジ作品も提案しています。これまでこぎん刺しを楽しんできた方にも、デザインの広がりを感じていただける一冊です。