更新日: 2020/02/19
布がとても貴重だった時代、防寒や補強の手段として刺し子は生まれました。やがて装飾的な要素が加わり、多彩な模様が登場するように。それこそがまさに用の美。
『色であそぶ糸であそぶ 刺し子の愉しみ』から、刺し子におすすめの布をご紹介します。
文:つくりら編集部 撮影:蜂巣文香・天野憲仁(株式会社日本文芸社)
刺し子に適しているのは、針通りのよい平織りの布。ふきんに仕立てる場合は晒し木綿を使うのが一般的ですが、吸水性に富んだリネンもおすすめです。印つけが面倒な一目刺しは、市販のガイド入り刺し子布を利用すると気軽に楽しめます。
a 刺し子用木綿
ふきん1枚分にカットされた刺し子用の布。針通りがよく、初心者におすすめです。
左:「さらしもめん」約34×70㎝、中・右:「刺し子もめん」約33×70㎝、全9色/オリムパス製絲
b ガイド入り刺し子布
「一目刺しは印つけが面倒」という方には、ガイド入り刺し子布がおすすめ。
洗えば印が消えるので、仕上がりもきれい。
c 晒(さら)し木綿
手ぬぐいやおむつなどに適した、やわらかく吸水性に富んだ平織りの木綿布。
布幅をそのまま生かし、2枚重ねにして使います。1反(約34㎝幅×10m)で1000円前後と値段も手ごろ。
d リネン
吸水性に富み、ナチュラルな風合いのリネンは、小物づくりに最適。
針通りのよい、適度な厚さのものを選びましょう。
e 木綿布
色数が豊富な木綿布は、刺し子とも好相性。
「あづみ野木綿・カット布」約54×45㎝、全30色/オリムパス製絲
リネンなど縮みやすい布は、後からゆがみが生じないように水通しと地直しをします。一晩水に浸けて軽く脱水し、半乾きまで陰干し。タテ糸とヨコ糸が直角に交わるように整えながら、裏から低温でアイロンをかけます。
Instagram:@tsukurira0714
【書誌情報】
『刺し子の愉しみ』
日本文芸社編
彩り豊かな刺し子の作品集。
人気の一目刺しを中心に、伝統文様や創作模様、くぐり刺しなどを多色づかいで。白い布に一色刺し、多色刺し、色布に一色刺し、多色刺し、端切れをパッチワークして一色刺しなど、さまざまな色づかいを楽しめます。
手軽に楽しめるように、小さめのサイズのふきんも提案。コースターやくるみボタンなど、仕立ての簡単な作品や、パッチワークを組み合わせた袋ものなどを紹介。