更新日: 2023/11/10
今年10月に刊行した創作おりがみ作家カミキィさん4冊目となる著書『カミキィの 〈かわいい・楽しい〉どうぶつおりがみ』、好評により早くも重版が決定しました!2018年12月刊行の初の著書『カミキィの季節のおりがみ』から、カミキィさんに伴走しつづけてきたフリー編集者、上野洋子さんに編集後記を寄稿いただきました。
撮影:鈴木江実子(作品写真)、天野憲仁(日本文芸社、手順写真)、文:上野洋子、つくりら編集部
おりがみ作家カミキィさんの4冊目の新刊『カミキィの〈かわいい・楽しい〉どうぶつおりがみ』が2023年10月に刊行されました。
すぐに次の本を出すことには慎重で、時間をかけて本の内容をしっかりと吟味しながら、とても丁寧な作品づくりをされてきたカミキィさん。
初のご著書となった『カミキィの季節のおりがみ』が大変な好評をいただき、順調に2冊目、3冊目と出版を重ねることができました。
そしてカミキィさんのご提案で4冊目のテーマが「どうぶつ」に!
カミキィさんのYouTubeチャンネルでもかわいいどうぶつたちは大人気。飾れる、使えるおしゃれでかわいい新作どうぶつをぎゅっと詰め込んだ1冊にしようということに決まりました。
これまでの本にもどうぶつのモチーフは登場していましたが、今回はまるごと1冊かわいいどうぶつたちに埋め尽くされて。
私たちの身近にいる犬やねこ、うさぎから、ふくろうやペンギン、ライオンなどの動物園や水族館の人気者たち、どうぶつコスプレのキャラクター、どうぶつモチーフのメモや箱といった小物類まで……。
このどうぶつたちのかわいさを読者のみなさんによりわかってもらうためにはどうしたらいいだろう。
スタイリストさん、カメラマンさんたちと話し合いを重ね、悩んだ末に、自然光を取り入れたり、お部屋に飾った雰囲気を伝えられたりするよう、「ハウススタジオで撮ろう」と決まりました。おりがみのような小さめのクラフト作品の撮影でハウススタジオを使うことはあまりないので、どのような仕上がりになるかな……と初の試みにドキドキです。
しかし心配をよそに、自然のやわらかな光で撮ったどうぶつたちはとても生き生きとして、まるで命を吹き込まれたようです。
かわいいけれど子どもっぽくならないのがカミキィさんのおりがみ作品の大きな魅力のひとつ。やわらかな自然光は、大人かわいいインテリア雑貨のようなどうぶつたちをさらに引き立て、お部屋に溶け込ませてくれました。
ハウススタジオでの撮影に加え、今回はもうひとつ大きな試みがありました。
左が既刊本からの一例として2冊目の『カミキィの〈か和いい〉季節のおりがみ』、右が今回の新刊の紙面です。違いがおわかりいただけるでしょうか?
2冊の違い、その答えは、折り図写真のトリミングのしかたです。既刊本では左のように写真を四角く切り取った角版にしていましたが、新刊では折り紙の輪郭で切り抜いたキリヌキ版になりました。
角版写真には、落ち着いた大人の雰囲気がありますが、どうしてもほんの少し折り図が小さくなってしまいます。できるだけ折り図写真を大きくしたいというカミキィさんのご提案により、とてもすっきりとして見やすい紙面にグレードアップしました。
既刊本でも季節のリースは数多く紹介してきましたが、今回の本ではどうぶつモチーフを用いた12か月のリース飾りをつくることができます。
カミキィさんの作例どおりにつくってみても、自分なりの工夫を加えてみても楽しいですね。
お子さんにも大人の方にも楽しんでいただける、折りやすさとおしゃれが同居した「大人かわいさ」は、カミキィ作品の最大の魅力のひとつです。4冊のご著書にかかわらせていただくなかで、たくさんの作品に触れ、そのたびに魅力の再発見がありました。
今回の『カミキィの〈かわいい・楽しい〉どうぶつおりがみ』では、コラムのスペースに既刊本のモチーフと組み合わせてつくるリースや雑貨の作例も紹介しています。
新刊とともに、カミキィさんの魅力の詰まった折り紙本シリーズも、あわせて楽しんでいただけたら幸いです。
カミキィ(Kamikey)
札幌在住のおりがみ作家。2015年よりYouTubeを開始。オリジナル作品のうち、動画にしているものは450点ほど。もとはあみぐるみなどのニット小物のハンドメイド作家として活動していたが、育児をきっかけにおりがみ創作にハマる。元ハンドメイド作家としてのセンスを生かしたおりがみ飾りの世界観づくりと、当初は「折り鶴」しか折ったことがなかったという経歴から初心者にもわかりやすい動画で人気に。かわいい作風と、作品を組み合わせた飾りの提案が女性を中心に支持を集めている。インスタグラムなどのSNSや雑誌で創作おりがみを発信中。著書に『カミキィの季節のおりがみ』、『カミキィの〈か和いい〉季節のおりがみ』『カミキィの〈気持ちが伝わる〉贈り物おりがみ』(以上、日本文芸社)がある。