更新日: 2019/10/28
藤原連太郎さん、Shabomaniac!さん監修の『珍奇植物 ビザールプランツと生きる』より、世界が愛してやまない不思議な植物たちをご紹介します。
南アフリカ北西部からナミビア南西部のごく限られた地域に分布は限られる。現地は冬に雨が降る乾燥したサバンナ・半砂漠で、岩の多い丘の斜面に生える。掲載写真の個体はまだ若木と言えるもので、若いうちは周辺の灌木の陰に守られて育つ。灰白色になる幹はまばらに枝分かれを繰り返して高さ10m以上、最大15mにも達する大型種である。高さ2〜3mに達するのに50〜75年の歳月を要すると推測されている。花は明るいレモン色から黄色で春に開花する。本種はアロイデンドロン属の中で最も絶滅が憂慮される種である。親株はすでに200個体以下と推測されている。異常気象による親株の枯死、過放牧による若い個体の喪失、違法採集によって減少を続けている。そのため本種はワシントン条約で最も規制の厳しい附属書Ⅰ類に指定されている。アロイデンドロン属は6〜8種が知られる。南アフリカの北西部と東部海岸地域・東アフリカ(モザンビークとソマリア)・アラビア半島南西部に分布する。いずれも木化する幹や枝を持つ高木か低木で、最大種のアロイデンドロン バーバラエ A. barberae は高さ18mにもなる。他に大型の植物が無い地域で特徴的な景観を構成し、生態系の中で重要な種となっている。
“多肉植物”ブームの中、今世界中から注目を集めているのが、塊根植物やディッキアなど“珍奇植物”と言われる見た目が変わった植物たち。盆栽のような見た目、デザイン・アート性に優れたその特徴は、インテリアとして部屋によくなじみ、写真映えも◎。
本書は、独特な特徴や育て方、自生地を詳細解説するとともに、今回、まだどこにも載っていない、北アメリカ、南アフリカ、オセアニアなどのレアな珍奇植物もたくさん掲載している完全保存版!
【書誌情報】
『珍奇植物 ビザールプランツと生きる』
珍奇植物と言われる、姿形に特徴があり、その生態も非常に個性的な植物たちがいま注目されています。その変わった植物たちの特性や自生地の環境など、共に珍奇植物たちと暮らしていくための他にはないヒントがたくさん詰まった実用書です。
藤原連太郎
新しい価値を提供する園芸用品と植物のショップTOKYの代表兼ディレクター。植物好きが昂じて2014年に同店のネットショップを立ち上げ、2016年には東京日本橋に実店舗をオープン。作家物やセレクトの植木鉢のほか、自社オリジナルアイテムも多数手がけている。
Shabomaniac!
幼少よりシャボテン・多肉植物に惹かれ、栽培歴40年の園芸研究家。幅広く様々な科、属の植物を育て、栽培困難種の実生や、新種の輸入にも早くから取り組んだ第一人者。自生地を度々巡り、開設から10年を迎えるブログには実体験に基づく栽培法と、自ら長期間育成した美しい植物の写真が並ぶ。