古いものの魅力は、その”もの”が持っている存在感や佇まい。|Favorite things 第8話(前編)

いつのまにか、暮らしの中に古いものが増えてきた、という麻衣さん。今回は、麻衣さんの古いものコレクションを紹介します。

撮影・文 村川麻衣

好きなものだけに囲まれて暮らすことができたら。日常で使うものは、いつもお気に入りのものでありたい。旅先で出逢ったお皿や一目惚れして運命的に出逢ってしまったもの、よくわからないけどなぜか惹かれるもの。

いつのまにか私の暮らしの中には、古いものが増えていました。ただ古いということが魅力ではなく、その”もの”が持っている存在感や佇まいが重要です。国や年代に捉われず、心が動いたものを大切に選んできました。そんな中から今回は私が普段使っている日本の古いものについてお話したいと思います。

 

毎日をともに過ごす、小さなテーブル

今の家に引っ越してきたとき、デスクワークもできて、食事もできるような小ぶりのテーブルを探していました。

そんなとき、芦屋にある「flame」さんへ足を運び、こんなテーブルを探していると店主さんへ伝えると、奥から出してきてくれたのがこれでした。引き出しが2つついていたことと、柔らかい色に惹かれて買いました。ペンキを塗り直そうかと思ったりもしましたが、時を経たこの表情がお気に入りです。

ゴールドのドットがかわいいカップ&ソーサは、神戸の古道具やさんで出逢ったもの。持ち手が個性的な佇まいです。黒い器は、見かけるとつい手に取ってしまいます。

 

骨董市巡りで少しずつ集めた器

関西では毎月定期的に骨董市が開催されています。お猪口は大阪の四天王寺骨董市や京都の東寺弘法市、北野天満宮の骨董市を巡り、少しずつ集めたものです。

骨董市でお猪口はたくさん見かけますが、これ!というものに出逢うのはそう多くはありません。絵柄が綺麗すぎない、どこか不完全なものに心動かされるように思います。自宅で使うものだから、少々の欠けもあまり気にせず選びます。

京都・東寺の南門前にお店を構える「古美術 清水」さんで開催された「ごはん茶碗展」で出逢ったお茶碗。日本は本来御膳文化。厨房から食卓へ御膳を運ぶことから、薄くて軽く、ご飯が冷めないよう蓋をするご飯茶碗が誕生したそうです。

100種類以上あるお茶碗の中から選んだものは、月を見ながら詩を詠んでいる絵付けのものです。蓋は小皿代わりに使っています。

水色の足にゴールドの淵にきゅんとした小さなガラスの器は、四天王寺骨董市で見つけました。手前のイギリスの小さなスプーンとも相性がよく、ジャムなどを入れて食卓に。

シルバーのトレイはイヤリングをざっと置いて使っています。淵のなみなみが、一見クールなシルバーの佇まいを和らげてくれる印象です。

後編では、よく分からないけどなぜか惹かれて買ったもの、その使い方などについてお話したいと思います。

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