植物と人をつなぐもの 第12話(後編・最終回)|たどり着いた究極の寄せ植えは、生命の神秘を感じる地球の姿そのものだった!

前編ではトキイロさんの2020年のスタートでもある東京・馬喰町のギャラリー、組む東京さんでの展示をお伝えしました。本連載の最終話となる後編は、未来における多肉植物との関わり方をも示唆する、究極の寄せ植えをご紹介します。

撮影・文:TOKIIRO(近藤義展)

本連載では、多肉植物のアレンジメントをたくさん紹介してきましたが、最終回は2020年の僕の在り方や地球の解釈を表現すべく、ただ1つのアレンジをつくってみました。でき上がるまでのプロセスもご紹介したいと思います。

これは浦安のアトリエの隅にひっそりとできた景色。何度も冬や夏を越えて、生き方を見つけたセダム属サクサグラレとシモフリゴケ属スナゴケです。

ミクロな世界に身を投じてみると、生命の神秘を感じてしまいます。その命の営みから力づけられるんです。そして、この世界を僕が再創作する必要なんてないよなあと感じたんです。

 

生命の神秘が感じられる寄せ植え

まずは鉢を用意します。今回は小ぶりでシンプルな器をチョイス。

アトリエの隅のミクロな世界をそのまま連れてきました。

器の大きさに合わせてカットします。

器に入れます。

整えながら自然のままの世界を移殖していきます。

スペースができたので追加します。

小さな世界がそのまま器におさまりました。

こんな感じです。世界はもうすでに美しくて神秘的でメッセージをたくさん蓄えていました。

 

地球そのものの世界はすでに美しい

最終回のアレンジは地球そのものでありたいと考えました。人が何かを施すのではなく、地球はすでに美しいということを、より多くの方々に伝え届くように、これからも活動していきたいと思います。

「植物(きみ)と人(わたし)をつなぐもの」という連載タイトルに導かれるように、人間独特の100年の物差しから、植物時間の物差しや地球時間の物差しへ視野や考えを広げる提案を試みてきました。

多肉植物を通して気づかせていただいた地球の営みや歴史、そこに息づく命や宇宙感、人類と地球の関係・・・。そんな視点で言葉を紡いできたこの連載もこれにて幕を閉じます。

お付き合いありがとうございました! TOKIIRO  近藤義展

関連記事

おすすめコラム