更新日: 2019/12/26
前編ではトキイロさんの2020年のスタートでもある東京・馬喰町のギャラリー、組む東京さんでの展示をお伝えしました。本連載の最終話となる後編は、未来における多肉植物との関わり方をも示唆する、究極の寄せ植えをご紹介します。
撮影・文:TOKIIRO(近藤義展)
本連載では、多肉植物のアレンジメントをたくさん紹介してきましたが、最終回は2020年の僕の在り方や地球の解釈を表現すべく、ただ1つのアレンジをつくってみました。でき上がるまでのプロセスもご紹介したいと思います。
これは浦安のアトリエの隅にひっそりとできた景色。何度も冬や夏を越えて、生き方を見つけたセダム属サクサグラレとシモフリゴケ属スナゴケです。
ミクロな世界に身を投じてみると、生命の神秘を感じてしまいます。その命の営みから力づけられるんです。そして、この世界を僕が再創作する必要なんてないよなあと感じたんです。
まずは鉢を用意します。今回は小ぶりでシンプルな器をチョイス。
アトリエの隅のミクロな世界をそのまま連れてきました。
器の大きさに合わせてカットします。
器に入れます。
整えながら自然のままの世界を移殖していきます。
スペースができたので追加します。
小さな世界がそのまま器におさまりました。
こんな感じです。世界はもうすでに美しくて神秘的でメッセージをたくさん蓄えていました。
最終回のアレンジは地球そのものでありたいと考えました。人が何かを施すのではなく、地球はすでに美しいということを、より多くの方々に伝え届くように、これからも活動していきたいと思います。
「植物(きみ)と人(わたし)をつなぐもの」という連載タイトルに導かれるように、人間独特の100年の物差しから、植物時間の物差しや地球時間の物差しへ視野や考えを広げる提案を試みてきました。
多肉植物を通して気づかせていただいた地球の営みや歴史、そこに息づく命や宇宙感、人類と地球の関係・・・。そんな視点で言葉を紡いできたこの連載もこれにて幕を閉じます。
お付き合いありがとうございました! TOKIIRO 近藤義展
TOKIIRO(トキイロ)
多肉植物に特化したアレンジを提案する近藤義展、近藤友美とのユニット。グリーンデザイン、ガーデンデザイン、ワークショップ開催など多岐にわたる活動の中から、空間(器)に生きるストーリー(アレンジ)を創作している。『ときめく多肉植物図鑑』(山と渓谷社)、『多肉植物生活のすすめ』(主婦と生活社)の著書のほか、監修本も多く、いずれも英語版、中国版、台湾版に翻訳され、グローバルに活躍の場を広げている。
ホームページ:http://www.tokiiro.com/
インスタグラム:@ateliertokiiro、@tokiiro_life、@pause_story_
Facebook:@AtelierTOKIIRO
ウェブショップ:www.tokiirowebshop.com
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