更新日: 2019/09/09
トキイロさんの連載、今回は多肉植物×器のコラボレーションのお話です。
撮影・文:TOKIIRO(近藤義展)
朝晩の風が少しずつ季の移りを感じさせてくれるようになりました。
僕が生まれ育った新潟県青海町(現糸魚川市)は日本海に面した町で、夏には日本海に沈む夕日が雄大な姿を見せて、海面がオレンジに染まるんです。子どものころと今では気候がだいぶ変わってしまいましたが、9月に入ると赤トンボが山から下りてきて、稲刈り前の黄金の稲穂の周りを彩ってくれました。そんな当たり前にある景色が永遠であると思っていました。
▲現・糸魚川市親不知より望む日本海に沈む夕日。
9月のお話は、TOKIIROの作品に必須な「器」についてです。
トキイロの作品コンセプト、それは、
「器(スペース)に多肉植物で世界(ストーリー)を創作、生きて進化するコミュニティを通して季節をゆっくり感じ、人が自然や地球のなかにあることを知る。」
手に乗るような小さな器からお店やお庭のような大きな器まで幅広いですが、器がなければ世界も表現しきれないですね。空間、器は重要なのです。その器に子どものころに見た景色や思いを描いていくことが多いです。
現在トキイロの器をつくっていただいている作家さんは10人を超えていて全国さまざまな地域で活動されている方たちです。トキイロの活動を深く理解してくださり、トキイロオリジナルでデザインを組んでくださり、底穴もしっかり開けて作陶してくれています。
陶芸家さんとは二人展などコラボレーションの企画や展示などでご一緒させていただくことが多いのですが、トキイロでいつも作陶してくださっている飯高幸作さん(kousha)とTOKIIROで、今年の9月13〜15日、アメリカはニューヨーク(NY)、ブルックリンにてMika parlaさんキュレーションの展示があります。
Mikaさんプロデュースで今回の展示用にすべて作陶された器たちと海を越えてNYで出会う多肉植物で世界を創作してまいります。
Mika parlá さんはブルックリン在住の日本人でNYに住んで20年。グラフィティアートやアンダーグラウンドカルチャーにふれ、ご本人もペインターであり、デザインのディレクションなど携わってこられました。現在、アーティストのご主人と2人のお子さんとの生活。日本人の深い伝統から開く心の表現や繊細で技の境地を垣間見る手仕事をご自身のフィルターを通した形でNYに紹介していきたいとの思いから、ブランド「Mplus」を立ち上げ、今回初展示に至っています
今回の展示テーマは、Earth+Life+Arts Inspired by Nature。参加する作家はTOKIIROと飯高幸作さん。会場はブルックリン・ダンボ地区のアイスクリーム屋さん、OddFellows Ice Cream co.です。
▲トキイロオリジナルの飯高さん作陶の器。
飯高幸作さんは埼玉県北越谷で作陶されています。
正確なろくろさばきでどんどんでき上がっていく工程を見させていただき、ここに至るまでの鍛錬と経験の深さを瞬時に理解できました。
全国にファンをもつ飯高さんに作陶していただいているオリジナルの器は、多肉植物を植えて表現するために形や釉薬までこだわって作っていただいています。今回のニューヨークでの展示にはMplusディレクションで、日本では作らない、今回のための作品です。
飯高さんのようにたくさんの作家さんとお付き合いさせていただいていますが、皆さん例外なく、魅力的な方ばかりです。
そんな器に目を向けると、街に出かけて見える景色も楽しくなります。これ多肉植えたらどうなるだろうとか、出かける場所も変わりますよ。蚤の市や陶器市も器に出会える良い機会ですね。
TOKIIRO(トキイロ)
多肉植物に特化したアレンジを提案する近藤義展、近藤友美とのユニット。グリーンデザイン、ガーデンデザイン、ワークショップ開催など多岐にわたる活動の中から、空間(器)に生きるストーリー(アレンジ)を創作している。『ときめく多肉植物図鑑』(山と渓谷社)、『多肉植物生活のすすめ』(主婦と生活社)の著書のほか、監修本も多く、いずれも英語版、中国版、台湾版に翻訳され、グローバルに活躍の場を広げている。
ホームページ:http://www.tokiiro.com/
インスタグラム:@ateliertokiiro、@tokiiro_life、@pause_story_
Facebook:@AtelierTOKIIRO
ウェブショップ:www.tokiirowebshop.com