更新日: 2018/06/05
「写真を撮る」の後編は、NG例も公開しながらの “写真講座”です。インスタグラマーとして数多くの写真を撮り、発信してきたameさんならではの「好き」をすてきに記録する秘訣のあれこれ。たっぷりお見せします。
撮影&スタイリング、文:ame(amelabo)
「写真を撮る」の前編ではスマートフォンで手軽に「好き」を記録するコツを3つお伝えしました。
① 撮りたいものを真正面から捉えること。
② 縦もしくは横の線をしっかり揃えること。
③ シャッターを押す前に3秒間、画面の四隅を確認すること。
後編では写真を使いながら具体例をあげながらお話ししたいと思います。
こちらは「真正面から」を意識した私のいつもの写真です。
私が撮りたかったのは、ドーナッツだけでなく、お皿の格子柄の可愛らしさと丸いドーナツの重なった可愛い感じ。真正面から撮ると、そのどちらもよりはっきりと記録できるかなと思います。テーブルの木目とお皿の模様の横の線が合っていることも大事です。
撮りたいものは真正面に、というルールをわざと外してみると、お皿やドーナッツが真ん中にこなくてこんな感じになります。
わかりやすくするために上の写真から本を取り除いて、グリッド線(縦と横の線)を重ねてみました。テーブルの木目とお皿の模様の横の線がグリッドとはどれもすべてちょっとずつずれていることがわかります。
真正面と縦横の線、この二つのルールがどちらもずれていると、撮りたいものの主体が少し曖昧になることが多いように感じます。
では、物ではなくて、インテリアや景色だとどうなるんでしょう。
すてき!と思ったお店のディスプレイ。でもそのまま撮るとなんだか「すてき!」と思った感じに写っていなかったり、なんだかちょっと中途半端になることが多いです。
こちらがそのまま撮った写真。
上の写真から2歩ぐらい進んで、少し屈んで、真正面に向かうと、目で捉えた素敵な感じに近づくことも!
次に道端で見かけたかわいいお花は、あ!かわいいお花!と思ったその場所から撮るとついついこうなります。
近寄ってお花を写真の主人公にするとこんな一枚に変身します。
縦と横の線がたくさんはっきりあるものや風景を撮ると歪みがより強調されます。スマートフォンを片手で撮っていると、どうしてもねじれが生じやすいのです。
水平線だけでなく、左右のねじれ、前後のねじれ。
今はそのねじれも多少修正できますが、元の写真である程度揃えておくとより綺麗に修正できます。できるだけ気をつけて撮ってみてください。両手で構えたり、線が揃うように少し屈んで見たり、シャッターを押す前に3秒間画面の隅々までみてチェックして、線が歪んでないか、余計なものが入っていないか・・・そうしてから撮影してみてください。
ささっと、と言いながらも細かいですが(笑)、慣れてくるとこのポイントに絞ってささっと2、3枚で自分の好きな写真を撮れるようになると思います。
これについては前編の記事を書いてから改めて自分でも意識して考えていました。私にとって、景色に関しては、「いいな!と思った場所からの景色」が「真正面」。物(物でも食べ物でも)に関しては、「その物の正面」が「真正面」。私はそんな風に思っています。
撮りたいのが物なのか、景色なのか、それで違ってくるように思います。
SNS(インスタグラム)の写真だと、物を撮っている写真が多いようでいて、「物のある風景」が多いのではないかと思います。
そんな写真には、物だけでなくその周りの雰囲気を伝えるような空気感が写っているから素敵なんだと思います。それはその人そのものを感じることができるからかもしれません。窓が近くにある気配とか、向かいに座っている人の一部分だったり、背景だったり、光だったり、影だったり。自分では「物」を撮ろうと思っているようでも、実はもう少し視野の外側も含めていいな!と思っているかもしれません。少し意識してみてください!
いつも撮りたいものに近づいて撮っている人は、少し離れて撮ってみると新しい発見があるかもしれません。逆にいつも全体で捉えてしまう人は近づいてみると、もっとより自分の「好き」の理由がわかるかも。この2枚はそんなことを意識しながら撮った写真です。
SNSがすべてではありませんが、自分の「好き」や「楽しい」気持ちを伝えて共有しながら記録できるのはとっても楽しいことだと思います。写真に写りきらない美しさや気持ちや美味しさはその場でたっぷり堪能して、ささっと、でも丁寧にとった写真を後からゆっくり見返して思い出しながら加工するのも楽しいもの。フィルターの加工も、実際自分が撮った時の、その場で見た時の「!」に近くなるようなフィルターを使ったり、明るさを変えたりすると、感動が伝わりやすいような気がします。
ワークショップを通して、いろんな方と実際にいろんな視野の交換をして、いろんな見方、いろんな角度、いろんな色があることを毎回経験します。もちろん正解も優劣もないのだけど、より自分が思っていた感じの写真になるのが嬉しい!と言ってもらえるときが一番嬉しいです。
自分らしい写真を自分らしい時間で楽しめますように。
そろそろちょっと憂鬱な梅雨がやって来ます。
でも私はちょっと楽しみにしていることが。
そう、梅の季節!次回はそんなお話も。
ame(amelabo)
日常を独特のセンスで切り取ったインスタグラムでの投稿が人気のインスタグラマー。現在、フォロワー数は4万人以上。学生時代から続けている趣味の写真とamegraphy(アメグラフィー)と言われる手書き文字やイラストを駆使し、カレンダーやプロダクトを手がける。写真や文字のワークショップや個展、百貨店カタログやイベントのディレクターなど、多岐に渡ってクリエイティブな活動をしている。本業は歯科医師。
インスタグラム:@amelabo
ホームページ:http://now-here.petit.cc
30 min. creation 毎日ちょっとで、できること 第1話(前編)|calendar, note and wish list. 1年の計はカレンダーにあり!
30 min. creation 毎日ちょっとで、できること 第1話(後編)|calendar , note and wish list. 願い事を叶えるために、私がしている2つの習慣
30 min. creation 第2話(前編)毎日のお茶の習慣|パケ買いしちゃうほど素敵なパッケージはデザインをすかさずスケッチ!
30 min. creation 第2話(後編)毎日のお茶の習慣|お気に入りのブレンドティーや手づくりティーラベルでお茶時間が大充実!
30 min. creation 第3話(前編)しつらえる|自分の「好き!」が知りたくて、部屋の写真を撮り始めました。
30 min. creation 第3話(後編)しつらえる|きれいなもの、季節のもの。同じ場所で撮り続ければ、自分だけの歳時記ができ上がります。
30 min. creation 第4話(前編)手紙を書きましょう|書いた文字から伝わる息遣い。手書きっていいなあ、としみじみ思う瞬間です。
30 min. creation 第4話(後編)カードをつくりましょう|あなたが書いたカードは送った相手にかならず喜んでもらえます。
30 min. creation 第5話(前編)写真を撮る|“外でスマホ”は手早くささっと、自分の「好き」を写真に納めます。
30min. creation 第6話(前編)シロップづくり|梅雨どきだけのとっておき。2日でできる!梅シロップのかんたんレシピ
30min. creation 第6話(後編)|2018年も折り返し地点。年始に書いたwish list を一度振り返るにもいい時期です。
30min. creation 第7話(前編)アロマオイル|夏を心地よくする手づくりミスト。空気中にスプレーするだけで香りが広がり、気分も変わります。
30min. creation 第7話(後編)アロマオイル|発汗作用と香りの効果、バスソルトもおすすめです
30min. creation 第8話(前編)絵を描く|上手く描こうとするのではなく、自分が好きな理由を探しながら描くこと。
30 min. creation 第8話(後編)絵を描く|まっさらな気持ちで線に写し取る時間は瞑想のよう。心地よい達成感と小さな幸福感が味わえます。
30min.creation 第9話(前編)押し花づくり|ノートを開けば、たくさんの記憶と気持ちが甦る。押し花は過去の自分からの伝言のよう。
30min.creation 第9話(後編)押し花づくり|お気に入りのものもいつか手放す時がくる。だからこそ、濃縮された記憶の記録を片隅に。
30min.creation 第10話(前編)包装紙をつくる|印刷しなくてもつくれる! オリジナル包装紙のとっておきアイデア
30min.creation 第10話(後編)包装紙をつくる|ものを包むと表情がガラッと変わる! 写真やお手紙で自分だけの包み紙をつくりましょう
30min.creation 第11話(前編)贈り物のアイデア | ちょっと気の利いたプレゼント。それはほんのひととき、いつもと違う時間をプレゼントすること。
30min.creation 第11話(後編)贈り物のアイデア | 香りのよいもの、手触りのいいもの、美しいもの。相手の心の何処かに作用して、心地よくなってくれたら。
30min.creation 第12話(前編)言葉のオーナメント|「言葉」が大好き。普段から自分の琴線に触れる言葉をノートにストックしています。
30min.creation 第12話(後編・最終回)言葉のオーナメント|wish list は「書き初め」のようなもの。1年後に見返すと、不思議なくらい叶っていてびっくりします。