BOOKS
暮らしの本
著者:シグナ・ヨハンセン
石口早苗(ライター)
ヒュッゲとは、デンマーク&ノルウェー語で「居心地のよい雰囲気」というニュアンスをもつ言葉。北欧の人たちは暮らしの中にヒュッゲを取り入れるのが実にうまい。部屋にはシンプルでスタイリッシュな家具、アクセントに季節の花や植物を添える。暗くなったらキャンドルを灯して、ソファでゆったりくつろぐ。ほっこり和むような空間づくりに長けているのだ。
短い夏の間、人々は公園の芝生でひなたぼっこをしたり、湖でボート遊びをしたり、アウトドアで過ごすことが多い。冬はウインタースポーツを楽しむなどして、家に籠りっぱなしなんてことはない。本書によればアクティブに過ごすこともヒュッゲなのだそう。担当編集者も読み終えたあと、体を動かすようになったとか。「運動は “同じものを続けなくても、自分が楽しいと思えることにいろいろトライしてみればいい”というくだりから、そのときの仕事の忙しさや予定にあわせてできることを取り入れようという意識に変わりました。水泳やランニングなど、こだわらずに取り組んでいます」。私はというと、もっぱらウォーキング。移動の際、1駅分くらいは歩くようにしている。
そして、家族や友人、会社の同僚らと甘いお菓子をつまみながらコーヒータイムを楽しむのもヒュッゲ。このような習慣は、スウェーデンではフィーカと呼ばれている。私もそれにならい、ストックホルム滞在中はコンディトリというカフェ併設のケーキ店に通い、フィーカをしていた。大きなシナモンロールやマフィンが懐かしい。
本のページをめくると、北欧のスイーツや料理の写真に魅了される。イチゴがのったアーモンドトルテがおいしそう!「レシピは日本でも再現可能なように、北欧在住の料理研究家に監修を依頼し、材料や分量からつくり方まですべて見直して、日本にいながら本場の味わいを楽しめるようにしています」とは、担当編集者。なるほど、これならつくれそう。週末は、手づくりのスイーツとともにヒュッゲを満喫することにしよう。
ヨーロッパで大人気、北欧の「ヒュッゲ」なライフスタイルを紹介。北欧のスイーツや料理を楽しめるレシピも。イギリスで人気の一冊。