BOOKS
暮らしの本
著者:LUA
水谷花楓(ライター)
私たちの毎日は、たくさんの取捨選択から成り立っている。
なにも進学や就職、結婚などの大きな岐路だけではない。
今日着る服、ランチのメニュー、セットドリンクをコーヒーにするか紅茶にするか。今夜お風呂に入れるバスソルトの香り。そんな日常生活の中の小さな選択を幾千も繰り返した結果、今の自分がここにいる。
けれど、何か大きな壁にぶつかったときほど、迷ってしまうのが人間というもの。自分では判断しきれないときは、占いに頼るという人も多い。そんなとき、強く背中を押してくれるのがタロットだ。
タロットは、全78枚のカードに異なる絵柄が描かれていて、それぞれに意味を持つ。14世紀のヨーロッパが始まりといわれている、歴史あるカードだ。専門の占い師も多数いるが、どうやら個人でもタロット占いができるというから驚いた。
『78枚のカードで占う、いちばんていねいなタロット』は、初心者にもわかりやすく、経験者のつまずきも解消する、いわばタロットの教科書的存在。私には霊感がないから…と躊躇している人もご安心を。特別な力は必要ないのだと、著者のLUAさんは語る。タロットを通して自分自身の中にある直感力が研ぎ澄まされ、クリエイティブな才能が目覚めることもあるのだとか。
絵柄もおしゃれだし、自分で自分を占うなんて格好いい。
早速タロットを始めようと思ったが、ここではたと立ち止まった。幸い、タロットに頼るほど大きな悩みなど持ち合わせていない。一体何を占ったらいいのだろう?
すると、この本の担当編集者がこんなアドバイスをくれた。
「たとえば、『今日のコーディネート』を占ってみるのはどうでしょう? 嗜好がハッキリ出るものなので、”自分を見つめる道具”であるタロットの上達にもつながると思います」
なるほど、そんな身近なことからタロットを取り入れていけばいいのか。
ほかにも、「傘を持っていくべき?」「今ATMに行ったら混んでる?」などという、ちょっと気になる日々の出来事を占える点もおすすめだそうだ。
つい感情や主観で動いてしまいがちな人も、客観的に物事を見つめ、冷静な判断が下せるようになるというタロット。自分自身で物事を決められるということは、決断に後悔したり誰かのせいにしたりすることもなくなる。
我が人生に悔いなし。だって、私が決めたことだから。
タロットは、私らしく人生を送るサポートをしてくれる、心強い味方なのだ。
つまずき解消のポイントがたくさん。初心者からタロットが大好きという人まで、豊富なアイディアで必ずスキルアップできます。