BOOKS
暮らしの本
著者:PieniSieni 著/元山ゆう子 著/RUKO 著
読んだ人:庄司靖子(編集者)
手芸店や100円ショップなどでも手に入るシートフェルトは、身近で馴染みのある素材。フェルトを切って貼って、マスコットをつくった経験のある人も多いと思う。私もその一人だ。しかし、これまで、平面的なものしかつくったことのない私にとって、本書で紹介されている花やスイーツはちょっとした驚きだった。
カーネーションのフリルのような花びらや、ロールケーキの切り口など、フェルトでこんなふうに立体的で奥行きのある表現ができるんだ、と思わず見入ってしまったほど。また、モチーフに使われている色合いが落ち着いたシックな雰囲気で、昔ながらの原色使いのフェルトクラフトとは印象も違った。
どうやってつくるのかとつくり方ページを見てみると、すべて写真で解説してあり、とても親切でわかりやすい。丁寧に工程を追っているので、見ているだけでつくった気になってしまった。
担当編集者も「フェルトクラフトの魅力はとにかく簡単なところ。針と糸を使うのが苦手なら、ボンドやグルーでつけられます。子どもやお年寄りも楽しめる手芸だと思います」というように、基本は切る、縫う、貼る、という簡単な手法ばかり。フェルトは色数も豊富で手に入れやすいので、すぐに手がけられるのもうれしいところ。
でき上がったモチーフは、飾ったりプレゼントに添えたりしてもいいし、アクセサリーやチャームにアレンジするのも楽しそう。早く完成するのも魅力のひとつ。私はたくさんのモチーフをこしらえて、本の表紙のように箱詰めしてギフトにしたいなと思った。
シートフェルトを、ボンドやグルーで貼ったり、針と糸で縫ったりしてつくる花とスイーツ。大人向けのちょっとシックなデザインで。